ビジネス

2019.02.18

音声メディア「Voicy」が7億円調達──利用者は30倍に拡大、今後はインフラの構築へ

代表取締役CEOの緒方憲太郎

Amazon Echoを始めとするスマートスピーカーが、少しずつ日常に浸透している昨今。「音声テクノロジー」は、いまスタートアップでも注目されている領域のひとつだ。

そうした中2月18日、音声メディア「Voicy(ボイシー)」を運営するVoicyが、グローバル・ブレインをリードインベスターに、7億円の資金調達を発表した。

その他の引受先となるのは、D4V合同会社、TBSイノベーション・パートナーズ、電通イノベーションパートナーズ、中京テレビ放送、スポーツニッポン新聞社などで、大手メディア関連会社が目立つ。2018年2月19日、16人の個人投資家から2800万円を調達して以来の資金調達となる。

2018年には利用者が30倍に

「Voicy」は、2016年にスタートした音声メディア。ニュース・天気予報から事業会社のオリジナルチャンネル、さらにはビジネスの専門家やミュージシャンによる「声のブログ」など、200以上のチャンネルをすべて無料で聞くことができる。

2018年にはインフルエンサーの参入などによって、知名度が向上。1年間で利用者数は30倍以上になり、個人パーソナリティのチャンネルに、上場企業を含むスポンサーがつくケースも生まれている。

今回、調達した資金の一部は、これまで一切費用をかけていなかった「Voicy」のプロモーションに充てるという。

情報流通の最先端としての「音声」の可能性



一方で、Voicyの事業はメディアサービスだけではない。実はいま大きく注力しているのは、「音声配信インフラの開発・提供」「音声体験のデザイン・ コンサルティング」の2つだ。

具体的なサービスのリリースは未定だが、彼らはいちメディアの枠を超えて、音声による情報流通を増やし、そのインフラになるつもりだという。

なぜ、ここまで「音声」に注目するのか? メディアの歴史から考えると、ラジオを代表とする音声メディアは、テレビなどの動画メディアに比べて前時代的だと考えられることも多い。しかし、代表取締役CEOを務める緒方憲太郎の認識は、少々異なる。
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文=野口直希 写真提供=Voicy

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