「人間はメディアから情報を得ることで豊かになってきましたが、近年は常にPCやスマホを覗くなど、逆に情報を得るために生活を消費するようになっています。
そんな中で、料理をしながらAmazon Echoに明日の天気を尋ねるというように、音声は生活を邪魔せず情報を手に入れることができます。情報を得るために生活するのではなく、普通に暮らす中でなめらかに情報が入ってくる世界をつくりたい」(緒方)
文字情報に比べて、音声では送り手の感情もダイレクトに反映されやすい。例えば、Voicy社内では音声で社内報のやりとりをしており、文面よりも確認されるようになっているという。これまで活字や動画が担っていた情報流通が、音声に置き換わることもあるかもしれない。
「音声インフラ企業」として、大規模なリニューアルを予定
今回の調達では、メディア「Voicy」の成長だけでなく、情報流通手段としての「音声」の可能性も高く評価されたという。今後は、2018年に得た知見をもとに「Voicy」の大型リニューアルを進める一方で、より大きな音声インフラの構築を進める予定だ。
今後の展望について、緒方はこう語る。
「私たちがこれから築くのは、主に3つ。Voicyだけにとどまらず、いろんなところに音で情報を得ることができる音声情報の『出口』と、簡単に楽しく、そして感情を込めてたくさんの人が音を吹き込む『入り口』。そして、入力された情報を把握・管理してより良い体験をデザインする仕組みです。
例えば、時間帯ごとによく聴かれるチャンネルをもとに一日中流しても苦にならないコンテンツをつくることができますし、社内報コンテンツの時間毎の離脱率データを取ることで最適な長さの社内報がわかります。さらにここから、より人に聞いてもらいやすい話し方もわかるかもしれません。
音声には、世の中をハッピーにするきっかけが、たくさん詰まっています。新たな領域を切り開くリーディング・カンパニーとして、挑戦を続けます」