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I write about economic and social trends in China. @johannylander

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アップルは中国のスマートフォン市場よりも、インドの同市場に注意を向け始めるべきだ。なぜかと言えば、同社は中国市場での業績見通しに問題を抱えているからだ。今年初めに示した同国での販売に関する予測は、ウォール街を驚かせた。

中国の消費者にとっては明らかに、アップル製品を買うことは以前ほどワクワクすることではなくなっている。

アップルは売上高の見通しを下方修正した原因として、同国経済の成長の鈍化を挙げている。だが、実際にはシャオミ(小米)をはじめとする中国メーカーとの競争激化が理由かもしれない。また、現在進行中の米中貿易戦争の反動かもしれない。

インドには潜在力がある

いずれにしても、アップルが海外市場での成長を再び加速させるためには、その他の国々に目を向けなければならない。例えば、ミシガン大学経営大学院の特別教授だった故C.K.プラハラードが10年近く前に出版した著書にある言葉を借りれば、「顧客に変わる厚い貧困層」があるインドだ。

インドの所得階層別人口ピラミッドの最底辺に位置する人たちも、可処分所得が増えていくと考えられるからだ。こうした層があることは、「可能性」があることを意味する。アップルを含め、多くの企業の経営者やマーケティング担当者が長年にわたって見落としてきた、あるいは考慮に入れてこなかった可能性だ。

重視されなかった理由

なぜインドは、こうした人たちに重要視されてこなかったのだろうか?インドのような市場は、期待できる売上高から見れば規模が小さすぎるか、進出にあたって必要となる営業費用から見れば、コストがかかりすぎるためだ。

インベスティング・ドット・コムのシニアアナリスト、ハリス・アンワーは、アップルがインド市場で事業を拡大することは容易ではないとして、次の点を指摘している。

「減速する中国経済の影響を軽減するための方策が必要なアップルにとって、インドは巨大な未開市場だ。そのインド市場で、同社は2つの大きな課題に直面している」

「まず、アップルは廉価版のスマホを販売する必要がある。そして、地元の消費者が受け入れ可能な価格に設定しなければならない。消費者がテクノロジーに強い関心を持っても購入する余裕はないという国で、1500ドル(約16万円)のiPhone Xを売るのは非常に難しい」

「次に、アップルはインドの大都市に店舗を開設するほか、成果が見込める小売戦略を立てることによって、同国での存在感を高める必要がある。現在のアップルと地元小売業者の関係は、競争が非常に激しいこの市場での持続的成長を可能にするような顧客体験を生み出していない」

アンワーの考えでは、アップルはこれまで、これら2つの課題のいずれにおいても失敗してきた。同社は今後、インド市場の特性や特異性に応えることができるアプリやその他のサービスを提供していく必要がある。

また、アップルが向こう数年内にこうした問題を克服し、インドの法律を「読み解く」ことができれば、そして同国の厳格な規制に対応することができれば、「多大なチャンスを得ることができる」という。

編集 = 木内涼子

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