昨年は大きな非難を浴びた同社の純利益は68億8000ドル(約7400億円)と、前年同期の42億7000ドルから増加した。当日のフェイスブックの株価は4.3%高で終了。時間外取引でも12%近く上昇した。フェイスブックの株価は過去6カ月で30%近く下落していた。
「我々は企業運営のやり方を根本から改めた」とザッカーバーグは決算発表で述べ、フェイスブックが数十億ドルをセキュリティ強化に投資したことを付け加えた。
今回の結果は、ここ最近のフェイスブックに対する強い非難に逆らうものとなった。今週はアップルが、フェイスブックのアプリが不適切な手段でユーザー情報を収集していたとして、そのアプリをブロックしたことが報じられたばかりだった。
しかし、一連のスキャンダルはフェイスブックの株価にダメージを与えていない。フェイスブックのMAU(月間アクティブユーザー数)は23億2000万人に達し、前期比で2.2%の増加となった。
さらにフェイスブックの一日あたりの利用者は昨年から9%の伸びで、15億2000万人に達した。同社CFOのデイブ・ワーナーは「利用者数の増加を牽引したのは、インドやインドネシア、フィリピンのユーザーだ」と述べた。
ザッカーバーグは、フェイスブックやインスタグラムのストーリーズ機能が、今後の広告収入の増加に寄与する最大のポテンシャルを秘めていると話した。AI(人工知能)を活用したターゲティング広告の精度も高まっていると述べた。
一方でワーナーは電話会見の場で、個々のアプリの利用時間の比較については言及せず、フェイスブックの利用時間の減少に対する懸念に関しては、回答を避けた。
「新興諸国」での伸びを強調
「DAU(日間アクティブユーザー数)のトレンドに関していうと、先進国市場では堅調に推移した一方、新興諸国ではフェイスブックへの支持がこれまで以上に高まっている」とワーナーは述べた。
「当社としてはサービスの利用時間よりも、プラットフォーム上の交流頻度を重視している。その上で、DAUがトレンドを見きわめるための主要な指標と考えている」と彼は続けた。
しかし、広告の出稿主らは、先進国市場のユーザーを対象としたターゲティング広告に、より多くの費用を支払っている。フェイスブックが新興市場において、新規ユーザーを獲得できていたとしても、投資家が気にするのは広告費用の回収効率だ。北米や欧州のユーザーの利用時間が減少しているとしたら、今後への大きな懸念が生じることになる。
ただし、当面のところ、投資家らはフェイスブックが予想を上回る売上をあげ、利用者数を拡大できたことに満足しているようだ。