打ち上げには「エレクトロン(Electron)」ロケットを用い、ニュージーランドのマヒア半島にある同社所有の発射場Launch Complex 1で2月に実施される。同社は昨年12月16日にはNASAから依頼された打ち上げミッションを成功させていた。
今回打ち上げるのは、重さ150キログラムの実験用の人工衛星で、DARPAのミッション「R3D2(Radio Frequency Risk Reduction Deployment Demonstration)」の一環だ。カプトンという物質でできた、非常に薄いアンテナを用い、宇宙船内の通信環境を改善する実験をおこなうという。
衛星が軌道に乗ると、折りたたまれていたアンテナは全長2.25メートルにまで拡張する。このアンテナの利点はコンパクトに収納できることで、実用化が進めば今後の宇宙開発に大きな前進をもたらすと期待されている。
「今回のミッションが成功すれば、宇宙をベースとしたインターネットは大きな進化を遂げることになる」とDARPAのディレクターのフレッド・ケネディ(Fred Kennedy)は述べた。
ロケットの打ち上げには最大2年の待ち時間が必要だが、エレクトロンのような小型ロケットは、クライアントの依頼があれば迅速に打ち上げが実施できる。今回のミッションでは衛星の設計から打ち上げまで、わずか18か月で実行できることになる。
「我々はエレクトロンの迅速で柔軟性のある打ち上げサービスを、DARPAに提供できることを光栄に思っている」と、ロケットラボのCEOピーター・ベックは声明で述べた。
ロケットラボは2019年、月1回のペースでロケットの打ち上げを計画しており、年末までには2週間に1回に増やしたい意向だ。今年は現時点で、12回の打ち上げが予定されている。また、2020年には週1回の打ち上げを目指している。
同社は将来的に、バージニア州にあるNASAの発射場も使用して、72時間おきにロケットを打ち上げるという野心的目標を立てている。
ロケットラボまだ歴史の浅い企業だが、既にNASAとDARPAという大口の顧客をクライアントリストに加えたことになる。2019年の打ち上げが順調に進めば、同社は小型衛星の打ち上げ分野で確固たるポジションを築くことになる。