同社のElectronロケットは12月16日、ニュージーランドの発射台から打ち上げられた。今回ロケットラボが担うのは「ELaNa-19」と呼ばれるNASAのミッションで、13個の小型衛星を上空500キロの軌道に放つものだ。ロケットラボCEOのピーター・ベックは「NASAの任務を遂行できることに、非常に感激している」と述べていた。
同社はこれまでのロケット全てに固有のニックネームを与えていたが、今回のロケットはかつてNASAのJPL(ジェット推進研究所)所長を務めたウイリアム・ピカリング(故人)の名を冠した「This One’s For Pickering」とされた。
ロケットラボのElectronロケットは、サイズの小ささが特徴で、スペースXのFalcon 9の4分の1程度の大きさだ。今回の打ち上げは、NASAが外部の研究機関などが開発した小型衛星の打ち上げを、有償で請け負うプロジェクト「Venture Class Launch Services(VCLS)」の初の試みとなった。
11月に初の商用打ち上げを成功させたロケットラボは今後、月に1回の頻度で打ち上げを行うことをゴールとしており、2019年終わりまでには2週間に1回、2020年までには週1回のペースを目指している。同社は2019年に合計で15回の打ち上げを予定している。
今回打ち上げたELaNa-19は学生や研究者らが設計した小型衛星を搭載しており、そこには軌道上の放射線レベルをセンサーで測定する衛星や、地球の磁場を測定するもの、また今後の宇宙探査に重要な役割を果たす「ソーラーセイル」を放出するものも含まれている。
ソーラーセイルとは太陽光を推力エネルギーに変えて進む「宇宙ヨット」とも呼ばれるテクノロジーで、今回はイリノイ大学の研究チームと宇宙関連企業のCU Aerospaceが共同開発したCubeSailが搭載された。これらの実験プロジェクトやリサーチは、今後の数週間から数カ月の期間に実施される。
「今回の打ち上げの成功により、商業ベースのオペレーションを完成させることができた」とロケットラボCEOのベックは述べた。