まず、KFCは2025年までに、世界中の店舗で顧客に提供するプラスチック製の包装材を全て、回収または再利用が可能な素材に変更する計画だ。同社が135カ国以上に2万2000を超える店舗を持つことを考えれば、間違いなく野心的な目標だ。
KFCが出す産業廃棄物は2017年、米国だけでおよそ88万5000トンに上ったと推計されている。そのうち15%がプラスチック類だった。さらに、再利用されたのはこのうち25%だ。
だが、親会社ヤム・ブランズのバイスプレジデントであるジョン・ヒクソンは、世界的に事業を展開するKFCの規模が、この点において大きなメリットを持つと語る。
同社はシンガポールやフランス、ルーマニアなど、すでにプラスチックの使用量を削減できた市場について、それぞれの成果に関する評価を継続的に行い、結果を各国の店舗に提供している。「KFC内部でより多くを学び、結果を共有することができれば、特定の市場が直面する課題により適切に対応できる」という。
ただし、このことが取り組み自体を容易にするわけではない。KFCが目指す回収・再利用可能な包装材の採用は、最終的に埋め立て処分される廃棄物を最小限に抑えることであり、全体としてプラスチックの使用量を最小限に抑えることだ。そのためのコストもかかる。
ただ、ヒクソンはこの目標達成にかかるコストについて、「正しいことをしたい」と考える同社のフランチャイズ加盟店は、必要な投資に前向きだと話している。
最終的に言えるのは、この取り組みは同社の最終利益以上に重要だということだ。1年間に海に流れ込んでいるプラスチック廃棄物の量は、およそ800万トン。エレン・マッカーサー財団によれば、このペースが変わらなければ2050年には、海中には魚よりプラスチックの方が多くなると考えられている。