「養鶏と抗生物質」に関する目標を達成
米KFCは2017年、メニューに使用する鶏肉について、人間にとって重要な抗生物質を一切使用せずに飼育された鶏の肉に全面的に切り替えるとの目標を発表。先ごろその達成を報告した。
4000以上の店舗を運営する米国のKFCでは、メニューの約60%に骨付き肉を使用する。その米国で目標を実現したことは、抗生物質を使用しない家畜・家禽の飼育を目指す活動にとって、大きな一歩だ。
マクドナルドやタコベルなどその他のファストフードチェーンもまた、抗生物質の使用に関する問題に取り組んでいる。だが、自然保護団体である天然資源保護協議会(NRDC)は、KFCの約束こそが業界にとっての転換点だったと指摘する。
「NRDCは以前、責任ある抗生物質の使用を約束またはすでに実行している養鶏場はおよそ40%と見積もっていた。だが、その割合はすでに50%を超えたと推計している」
医学的に重要な抗生物質を家畜や家禽に与えることは、抗生物質に耐性を持った菌の種類を増やすこと、人間がそれらに感染する危険性を高めることにつながる。そのため、この点における進展は重大な意味を持つものだ。
米疾病対策センター(CDC)によれば、米国では毎年約200万人が、抗生物質に耐性を持つ菌に感染している。さらに、そのうち少なくとも2万3000人が、感染が直接的な原因となり死亡しているとみられる。
企業が環境保護に責務を負うことを求める消費者は、KFCが掲げたこれら2つの目標を、どちらも好意的に評価するだろう。調査会社ニールセンの報告書によると、世界の消費者の81%は、企業は環境の改善に努力すべきであると考えている。また、企業がそのためのプログラムを実施することは「非常に重要だ」と答えた人は80%となっている。