僕の場合はこんな感じです。「確かにプロはプロとしてこだわったほうがいい、できればそうしたい。……でも、こだわらなくても、案外形になることもあるよね」とか、「それで致命的にはならないよね」など。
つまり、自分が考える「べき論」は、誰にとっても100%の真実ではないことに気づいて、まず冷静になるのです。すると、自分にとっては合理的でも、相手にとっては不合理になることが、冷静に見られるようになります。
信念を名付けし直してみる
同時にもう一度、自分の「べき論」を、自分の心の中でちゃんと認めましょう。「決して気持ちはよくないけど。せめて自分だけは、しっかりプロに徹しよう。そのほうが気持ちいいから」と。そうすることで、大切な心のエンジンをむやみに暴走させることなく、また、自己嫌悪に陥ることもなく、むしろエネルギーとして活用することができます。
また、やや心理療法っぽいやり方になりますが、信念を大事にするためには「名付け直し」をするのもおすすめです。僕なら、「プロフェッショナルちゃん」とか、「仲間守るくん」など、より自分にとって親しみのある名前にラベリングし直すことで、改めて僕の大切な信念として認識します。
しんどいのは、むやみに感情に溺れ、暴走することで、信念が訳のわからないものになってしまうことです。そうではなく、大切な心のエンジンとして、自分でラベリングし直すことで、しっかりとコントロールが行き届く場所に置いておくのです。
大事なことは、自分の信念を自覚し、自分の心のエンジンとしては残しておいて、他人にとって非合理になるときは、「そういうもんだからさ」と冷静になることです。
すると、今、相手を注意すべきか否かを冷静に判断できるようになりますし、むやみに「あいつが許せない! これもだめ!」などと消耗せず、自分のやるべきことに集中できるようにもなります。
連載 : 働き方革命最前線 ─ポストAI時代のワークスタイル
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