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かみそりブランドのジレットは先日、「有害な男らしさ」を非難し、男性らに対していじめやセクハラをやめるよう互いに呼び掛け合うよう訴える新CMを発表した。

このCMは、同ブランドを展開するプロクター・アンド・ギャンブル(P&G)による「We Believe(私たちは信じる)」キャンペーンの一環で制作されたもので、ジレットのキャッチコピーである「The Best A Man Can Get(男性が得られる最高のもの)」に立ち返り、男性たちに対して自分の「最高の姿」とは何かについての再考を促している。

1月13日に発表されたCMは、これまでにユーチューブで2400万回以上再生されたが、インターネット上では批判も噴出。動画は68万件の高評価を集めた一方で、低評価は123万件に上っている。批判の根源となっているのは、このCMが全ての男性や男らしさを悪と決めつけているという見方だ。

P&Gのデーモン・ジョーンズ副社長(グローバルコミュニケーション・アドボカシー部門担当)は「私たちは、全ての男性が悪者だと言いたいわけではないし、特定の個人の誤った姿を伝えようとしているわけでもない。私たちが伝えたいのは、一つの共同グループとして皆で粗悪な振る舞いを減らし、良い振る舞いを増やそうではないかということ。これこそが、このCMの裏の大きなメッセージだ」と語る。

同社はキャンペーンの一環として、男性と協力してこうした問題に取り組む米非営利団体に対して今後3年間にわたり年間100万ドル(約1億1000万円)を寄付する予定だ。

私はこれらの問題を掘り下げ、このCMの裏の意図や批判に対するP&Gの見解を探るべく、ジョーンズ副社長を取材した。

筆者:CMの裏にある意図は何でしたか? 狙いは売り上げ増加だったのか、あるいはもっと根本的なことだったのでしょうか?

ジョーンズ:当社では、長年かけて男性たちと多くの会話を交わしてきた。そして時には、高いコミュニケーションの基準を満たせなかったこともあった。当社の目的を振り返る中で、自分たちや男性に対するメッセージや期待値を一段引き上げ、改善する責任と義務が自分たちにあることを認識した。このCMは、それを実現するものだ。

ジレットは、世界大手の男性ブランドだ。このプラットフォームを活用し、「男性の最高の姿」に関する認識を、より近代的でポジティブなものにしたいと強く考えている。

筆者:では、ジレットはブランドとして「最高の姿になる」という目標をどれほど達成していますか?

ジョーンズ:私たちはまず、自分自身から取り組みを始めた。単にCMのためだけではなく、私たちは自分自身を見つめ「この目標を実現するため、ブランドの存在意義の視点から最大限の努力をしているのか?」と問いかけなければならなかった。非営利団体ボーイズ・アンド・ガールズ・クラブス・オブ・アメリカ(BGCA)との提携に至ったのも、それが理由だ。私たちは、有言実行の必要性を認識している。

筆者:このCMは、男性や男らしさを全てネガティブなものとして扱っているとの批判もありますが、それに対してはどう返答しますか?

ジョーンズ:私たちは、社会で起きている悪質な振る舞いの一部に光を当てたかったのだが、それよりも重要だったのは、良い行動に光を当てることだ。大半の男性は良い行動を取っているのだから。いくつかの行動を非難することで、男性らが互いに責任を持って、より高い基準を守れるようにしたかった。そうすることが男性、女性、そして社会にとって良いことだと考えている。

筆者:一部の男性がこのメッセージを挑発的と受け止めたのはなぜだと思いますか?

ジョーンズ:男性は今、多くの点で岐路に立たされており、古い意味での男らしさと、新たな男らしさの時代に挟まれている。大事なのは、男性たち自身に男らしさを定義する余地を与えること。私たちは男らしさの基準を決めたりしないが、男性であることの意味をポジティブかつ達成可能で、包摂性があり、健全な視点から捉えるよう促すことはできると思っている。

私たちは男性と多くの会話を交わし、男性の中に存在する異なるタイプの人々や、私たちがたたえたい行動について考えた上で、こうした結論に達した。これは一つの旅であり、私たちは男性に対し、一緒に自己改善に向けて努力するよう促している。

筆者:このCMを好意的に受け取らなかった男性や女性に対しては何を伝えたいですか?

ジョーンズ:私たちが言っているのは、「女性に対するハラスメントは許されない。キャットコール(通りすがりの女性を性的にひやかすこと)は許されない。いじめは許されない」ということ。CMでは最高の姿ではない男性たちが登場するため怒る人もいるだろうが、最後ではポジティブな例を示している。

私たちが視聴者に求めたのは、このCMを全体的な視点から見て、それから少し時間を取って考えること。もちろん、どんな意見であれ尊重するが、人々には未来の世代の視点からこのメッセージについてしばらく考えてほしい。

筆者:つまり、男性たちは内省を求められているということですか?

ジョーンズ:少し時間を取って、鏡の中の自分を見つめるような時間を持ってほしい。男性にとって、これは朝のひげそりの時間かもしれない。「自分の行動は、自分が望むものだろうか? 人に見られていとき、どんな発言をしているだろう? 最高の自分を真に反映する行動を取っているだろうか?」と自問する。私たちは、男性がこうしたことについて内省すれば、社会によりポジティブな効果が生まれると考えている。

編集=遠藤宗生

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