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世界38カ国、800万人が愛読する経済誌の日本版

投資家ジム・ロジャース

米国発の同時株安がマーケットを襲い、減速懸念に包まれた世界経済。しかし、世界3大投資家のひとりであるジム・ロジャーズはこう断言する。「北朝鮮が開国すれば、朝鮮半島は好景気と高度成長に沸くだろう。それはちょうど市場開放後の中国と同じようなものだ」と。

世界的投資家の慧眼に映る、韓国・北朝鮮の未来図とは──? 同氏の新刊『お金の流れで読む 日本と世界の未来』(PHP新書)より、内容を抜粋して紹介する(前編はこちら)。

もともと北朝鮮は韓国よりも豊かだった

私は2016年頃から、「次に『買い』な国は北朝鮮だ」と主張してきた。現在は世界の最下位にあると言ってもいい北朝鮮だが、つい最近、1970年まで、この国は韓国よりも豊かだった。北朝鮮の1人当たり国民総所得は1960年代の初頭までうなぎ上りに成長していた。

それが逆転したのは、ひとえに北朝鮮が共産主義だったからだ。共産主義は何もかも台無しにする可能性がある。ただ、いまも北朝鮮には、昔持っていた強みが残っている。

たとえば北朝鮮の人々は、日本人と同じように子どもの教育に熱心で、しつけもしっかりする。一生懸命働き、貯金をする。これは、経済的に発展するための条件だ。中国や日本だけではない、アメリカやドイツもこれと同じような時期を歴史上経験している。いまは北朝鮮がその時期に差しかかっているのだ。

私は北朝鮮には2回しか行ったことがないが、その際目にした彼らの働きぶりは、目を見張るものがあった。

中朝国境付近の中国側地域に行くと、何千人もの朝鮮人が住んでいる。彼らは朝鮮服を身につけ、朝鮮の祭日を採り入れ、朝鮮語を使っている。彼らは祖国に戻るべく、変化が起こるのをいまかいまかと待ち望んでいるのだ。

北朝鮮がひそかに進めている開国準備

北朝鮮は昨今、多くの人材をシンガポールや中国に送りこんでいる。起業や資本主義、所有権や株式市場について学び、開国の準備をしているのだろう。現在の北朝鮮にはまだ株式市場がないが、いざ作った時のために、市場がどのように機能するのかいま学んでいる最中なのである。

シンガポールに来る北朝鮮の人は、みな若くて頭がいい。企業から派遣されているのか、政府から派遣されているのかはわかりかねるが、シンガポールへ来ることを政府が承認していることは明らかだ。そのように外国との行き来が盛んになっているためか、他国にも北朝鮮系のレストランができ始めている。

また北朝鮮には現在、「自由貿易地域」と呼ばれる場所が15カ所ある。国際マラソンなど国際スポーツイベントが開かれる場所、または国際スキーリゾートなどがそれだ。

文=大野和基 写真=大岩央

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