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フォーブス ジャパン ウェブ編集部 エディター

Georgejmclittle / shutterstock

アメリカの「Dictionary.com(月間ユーザー9000万人のオンライン辞書サイト)」が、2018年の言葉に「Misinformation(誤報、虚報、偽情報、デマ)」を選んだ。米メディアCNNは、「インターネット上で虚報が膨張し続ける状況がこの言葉を押し上げた」と報じた。

「Misinformation」と「Disinformation」は似て非なるもの

Dictionary.comは「Misinformation」を、「それを広めようとする人自身が信じている可能性のある誤った情報。正しくない方向への誘導意図のあるなしに関わらず、広められる誤った情報」と定義する。

一方、「Disinformation」は、「受け手を誤った方向に意識的に誘導するためにバイアスをかけた情報、操作された事実、プロパガンダ」と定義されており、たとえば「Disinformation」を信じた人が善意でそれを拡散すると、「Misinformation」になるのだ、という。

フェイスブックのマーク・ザッカーバーグは今年7月、「ホロコーストはなかった」とする投稿は、フェイスブックの倫理要綱に反しない、よって削除しないという見解を示した。単に誤りであるだけで読者を誘導しようとする意図がない、つまり「Disinformation」でなく「Misinformation」だから、ということだろう。

米メディアGuardian誌によると、Dictionary.comのジェイン・ソロモン氏は、「情報の受け手がフェイクニュースと闘う上で隙なく武装できるように、『Dis』でなくあえて『Mis』を選んだ」とコメントしたという。

「この言葉の正しい意味を知ることは、荒野のような今の社会でMisinformationに出会ったときにそれと気づき、その拡散をおさえることに役立つはずです。真実との関係を見直すきっかけにしてほしい」

「この言葉を選んだことが、自省と行動のきっかけになればいいと思います。自分の内面をよく見て、起こそうとする行動を評価するのに役立つと思います。(そういう行動評価は)Misinformationとの闘いにおいてきわめて重要です」

今年は、セレブリティたちのMis-? Dis-? informationが世間を賑わした年でもあった。たとえば11月には、米ワシントン・ポスト誌が、トランプ大統領がそれまでの在任期間649日で意図的に流布した事実と異なる主張は6420件、平均1日に10件あったと発表した。

また9月には、女優のグウィネス・パルトローのライフスタイルサイト「Goop」が、「膣内に入れることで性生活向上が期待できる」膣トレ体操用商品「ジェードエッグ」に関する裁判で、「根拠のないマーケティング表示」を理由に14万5000ドル(約1600万円)の罰金を課されている。

ソーシャルメディアにおけるMisinformation

「Misinformationという言葉は1500年代からあったが、SNSの台頭で情報共有の方法が激変したこと、そしてファクトチェックを後回しにするわれわれの態度が、Misinformationの流布に一役かっている」と前出のソロモン氏は言う。

今年は、Misinformationの流布が「Brexit」(ブレグジット、脱EU)の投票や米大統領選の結果を左右することに使われた可能性が話題になった年でもある。

文=石井節子

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