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2018.12.06 06:30

AIで世界狙う中国バイトダンス、米インテルとコラボも開始

世界中の若者を魅了する動画アプリ、TikTok(Sam Kresslein / shutterstock.com)

世界中の若者を魅了する動画アプリ、TikTok(Sam Kresslein / shutterstock.com)

2012年の中国で、当時29歳のZhang Yimingが「バイトダンス(ByteDance)」を創業した頃、投資家たちは同社のニュースアプリ「今日頭条」の可能性を見抜けなかった。しかし、同社の企業価値は現在750億ドル(約8.3兆円)以上とされ、ウーバーを超える価値を誇っている。
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同社の動画アプリTikTok は、中国が生んだ初のグローバルアプリとして世界の若者を魅了している。バイトダンスの強みはAI(人工知能)を活用した、コンテンツのレコメンドだ。

「今日のヘッドライン」を意味する今日頭条では、AIが様々なニュースサイトの情報を分析し、利用者の属性に合ったニュースを毎日、1億2000万人の利用者に配信している。

バイトダンスは海外向けにはTopBuzzやBuzzVideoなどのアプリも提供しており、そこでもコンテンツのレコメンドにはAIを用いている。同社は既に日本や韓国、インド、欧州、ブラジル、北米、東南アジアにも拠点を設けている。
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AI領域で急激に存在感を高めるバイトダンスは、CBInsightが選ぶ「AI分野のトップ100社」に選ばれたほか、Fast Companyの「最もイノベーティブな企業リスト」にも選出された。

同社が2016年に設立したAIラボの主任は、元マイクロソフト・リサーチ・アジアのWei-Ying Maが務めている。また、今年8月にバイトダンスは米国のインテルと共同で、AI活用のリサーチを進めていくとアナウンスした。

今後、インテルが持つソフトウェアとハードウェアの知見が、バイトダンスのAIテクノロジーを補強していくことになる。

バイトダンスはAI分野で世界をリードするポジションを狙っている。優秀な人材には高額のサラリーを提示し、人材の引き抜きも活性化させている。中国政府のメディアの監視が厳しさを増すなかで、同社はマシンラーニングを活用したコンテンツ配信で、世界に基盤を広げようとしている。

編集=上田裕資

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