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2018.11.16

消費財メーカーは大手より「小規模」に強み M&A増加の一因に

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大手は「買収」で対抗

消費者から「信頼できるストーリーがある」「より健康的である」「環境に配慮した製品を提供している」などと評価され、急成長を遂げるオンライン販売専門の業者や新興ブランドに対し、大手はそれらを買収することに力を入れている。

大手ユニリーバがダラー・シェーブ・クラブを買収したほか、シリアルメーカーのケロッグは昨年10月、プロテインバー「RXBAR」の製造元を6億ドルで買収することで同社と合意。IRIによれば、RXBARの売上高は前年比で9倍以上となる約6500万ドルに達していた。

また、キャンベル・スープはオーガニック・スープを製造するパシフィック・フーズを傘下に収めた。キャンベルが取り込むことができなかったミレニアル世代の顧客の獲得が主な目的だ。さらにキャンベルはその後、自社ブランド(キャンベル・スープ)はX世代の消費者のみをターゲットに絞り込んだマーケティングを行う考えを示している。

コンサルティング会社のOC&Cストラテジー・コンサルタンツが日用消費財(FMCG)に関する情報提供を専門とする英グローサーの協力を得てまとめた報告書「グローバル50」によれば、CPG大手50社が行った買収は2017年、過去15年間で最も多い60件(前年比45%増)となった。買収額は昨年、前年のおよそ3倍に当たる1450億ドルに上っている。

また、P&Gやロレアル、ネスレ、ユニリーバを含むこれら50社の2017年の売上高の総額は、前年比で5.7%増加。21011年以来、最も高い伸び率を記録した。これは主に、小規模企業の買収によるものだ。2016年には同0.5%の増加にとどまっていた。

コンサルティング会社A.T.カーニーが今年4月に公開した調査結果によると、CPG業界の幹部のうち、今年はM&Aが減少するとの見方を示しているのはわずか11%だ。また、「M&Aは価値を生み出す」と答えた幹部は、前年の48%から「圧倒的多数」に当たる71%に増加している。

編集=木内涼子

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