1億人の会員獲得を目指して ネットフリックスがインド展開に本気を出す

CCOのテッド・サランドス

CCOのテッド・サランドス

11月8日〜9日の2日間にわたって、シンガポールで開催されているネットフリックスの新作コンテンツ発表イベント「See What’s Next: Asia」。8日には創業者兼CEOのリード・ヘイスティングスやCCO(コンテンツ最高責任者)のテッド・サランドスなど経営幹部が登壇したほか、新作コンテンツ17作品のうち8作品が発表された。

9日は、残り9作品の新作コンテンツ発表からスタート。すべてがインド発のコンテンツとなっており、ネットフリックスのインドへの期待度の高さが伺える内容となった。

約2年でコンテンツ数は5倍に、急成長するインド市場

「ボリウッド」などの映画産業が盛り上がっているインド。年間の映画総制作本数は2000本を超えており、この数は世界最大となっている。最近日本でも話題となった作品では、インド映画史上歴代最高興収を達成した『バーフバリ 王の凱旋』が記憶に新しいだろう。

ネットフリックスが同国でサービスを開始したのは2016年1月。インドのメディア企業スターインディアが運営する「Hotstar」は2015年2月にサービスを開始しており、やや出遅れ気味での展開となった。

しかし、Red Chillies EntertainmentやPhantom Filmsといったインドの映画スタジオとライセンス契約を結び、コンテンツ数は2年間で5倍に増加。

ヒンディー語などの現地の言語にも対応したことで有料会員も順調に伸びており、ネットフリックスにとってインドは期待の持てる市場へと成長を遂げた。2019年以降、さらにコンテンツ展開を加速させていく。インドでのコンテンツ展開について、テッド・サランドスCCOはこう語る。

「ホラーからファンタジーまで幅広いジャンルを網羅し、ヒマラヤ山脈にある山岳砂漠の町レーやインド最大の都市ムンバイなどインド各地で撮影を行なっています。インド発のネットフリックスのオリジナル映画およびシリーズは、世界中でファンを惹きつけることでしょう。インドを舞台とした、深みのあるキャラクターを描くこの美しい物語の数々が、多くの人々に知られ愛されるようになることが待ち遠しいです」

イベントで発表された、インド発新作コンテンツの内容とは──新作オリジナル映画8本とオリジナルシリーズ1作品の情報をまとめた。

発表された新作コンテンツ9作品


ステージに上がったネットフリックス コンテンツ・アクイジションディレクター(インド)のシムラン・セシ

Typewriter (映画)

お化け屋敷と呪われた本に想像力を刺激され、ゴーストハンターに憧れる若者のグループと1匹の犬の物語。ゴアの近所ではよく知られたお化け屋敷に住みつく幽霊をなんとしてでも捕まえようとする。新しい家族とその美しい娘がその呪われた家に引っ越してきたことで、幽霊を捕まえる必要がますます差し迫ると、学校の宿題や家の仕事との両立に苦戦する。それでも手遅れにならないうちにこの巨大な幽霊を捕まえようと奮闘する姿を描く。

Chopsticks(映画)

才能がありながらも自信に欠け、常に隅に押しやられながら生きてきた少女が、ヤギをこよなく愛す、一風変わったムンバイのギャングに盗まれた車を取り戻すべく、謎のペテン師を雇う物語。その過程で少女は自信をつけていき、状況が上向いていく。ネットフリックスオリジナルシリーズ「しあわせのモーメント」で視聴者の心を掴んだミティラ・パルカーのほか、アバイ・デオールとヴィジャイ・ラーズも出演。「Chopsticks(原題)」はViniyard Filmsのアシュヴィニ・ヤーディが製作、サチン・ヤーディが監督を務める。
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写真=ネットフリックス提供

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