初日は、創業者兼CEOのリード・ヘイスティングスをはじめ、CCO(コンテンツ最高責任者)のテッド・サランドスなど経営幹部が登壇し、今後のコンテンツの詳細、アジア地域発の最新オリジナル作品が発表された。
ネットフリックスが可能にした3つのこと
オープニングムービーが流れた後、ステージに姿を現したのは創業者兼CEOのリード・ヘイスティングス。「シンガポールに来たのは初めてだよ」と笑い、今日の朝に飲んだコーヒーの写真を披露しながら、彼は「テクノロジーとエンターテインメントの関係性」について触れた。
現在ネットフリックスは、世界190カ国で1億3000万人の有料メンバーに幅広いジャンルのコンテンツ、ドキュメンタリー、長編映画などを多言語で配信している。
エンターテインメント業界を振り返ると、まず映画が市場を席巻していき、その後、1960年代にテレビが登場。これにより、自宅で動画を見れるようになっていった。ネットフリックスも創業時はDVDの宅配レンタルサービス事業から始まり、オンラインDVDサービス事業を経て、オンラインストリーミング動画サービス事業を展開している。
そのきっかけとなったのが、インターネットだった。
「インターネットが私たちの生活、そして映画、テレビのすべてを変えてきた。今では映画をオンラインで見ることができる。インターネットは映画やテレビを、今以上に良いものへと変えていっています」
ネットフリックスが創業した20年前、今のようなオンラインストリーミングの環境はなかった。そのため、DVD宅配レンタルでブロックバスターとしのぎを削ってきたが、いち早く、インターネットの可能性に気づけたことでネットフリックスは世界有数のオンラインストリーミング配信事業へと華麗に転身を遂げることができた。
リードは「ネットフリックスの登場によって可能になったことが3つある」と語る。それは、オンデマンド、パーソナライゼーション、グローバルの3つだ。
「自分の趣味に合ったコンテンツが、いつでも見れる。これはテレビではできなかったことです。またネットフリックスにはグローバルなネットワークがある。これによって、世界中のコンテンツが視聴できる。ネットフリックスは世界をひとつにしています」
オリジナルコンテンツ制作に加え、世界中のスタジオやコンテンツプロバイダとライセンス契約を結び、日々、コンテンツを増やしているネットフリックス。最後にリードはこうメッセージを送った。
「2007年にオンラインストリーミング配信サービスを始めたとき、自分のパソコンでしか見れなかった。だが、今は違う。オンデマンドのサービスを提供することはエンターテインメント業界にとって前向きな動きだ。これからも多くのストーリーを楽しんでほしいです」