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What's Happening In The Food World

Alexander Oganezov / Shutterstock.com

米国西部の州に住む人たちの多くが知っている風変わりなドライブスルーのコーヒーショップ・チェーン、「ダッチブロス」はそう遠くない将来、より多くの人が知る店になりそうだ。

ダッチブロス(Dutch Bros)は先月、食品・飲料関連の複数の事業に出資している投資会社、米TSGコンシューマー・パートナーズに過半数未満の株式を売却したと発表した。これによる具体的な調達額は明らかにされていないが、店舗数を5年後までに、現在の約300から3倍近い800程度にまで増やしたい考えを示している。

オレゴン州グランツパスに拠点を置くダッチブロスは、ドライブスルーのコーヒーショップを運営する米国の非公開会社では最大の規模。7州に店舗を構え、従業員数は9000人を超える。

業界誌「レストラン・ビジネス」に掲載された食品業界専門の調査会社、テクノミックのデータによれば、ダッチブロスの2017年の売上高は、前年比8.5%の約2億3570万ドル(約267億円)に上っている。

多様な米国のコーヒーチェーン

米国のコーヒーショップ市場では、他社の間でもさまざまな動きがみられる。ダンキンドーナツは9月末、ドリンク類の販売に注力する方針の一環として、社名を「ダンキン(Dunkin’)」に変更する計画を発表

コーヒーチェーン最大手のスターバックスは、「ナイトロ コールドブリュー コーヒー」の販売に力を入れるほか、ドライブスルーの利用客の増加を目指す考えを明らかにしている。

ダッチブロスには、大手のコーヒーチェーンよりもフレンドリーな雰囲気がある。順番を待つ車の列が長くなると、従業員がタブレットを手に外へ出て、1台ずつ注文を取ってくれる。買ったものが好みに合わなければ、別の商品との交換にも応じてくれる。

オンラインでは袋入りやシングルサーブ・タイプのコーヒーを販売しているほか、幅広いデザインのTシャツやコーヒーボトルも扱っている。

地域社会を重視

ダッチブロスはオランダからの移民を祖先に持つデーンとトラビスのボーズマ兄弟が1992年に創業した。一家は3世代にわたって酪農場を経営していたが、当時までに規模の縮小を余儀なくされていた。

兄弟は当初、エスプレッソマシーン1台とコーヒー豆およそ45kg、プッシュカートを購入。自分たちのコーヒーに関心を持ってもらおうと、試飲用のコーヒーを無料で配った。同社の店舗では現在も、年間100万杯以上を無料で提供している。1996年までに店舗を6カ所に増やし、その後フランチャイズ化した。

デーンは筋萎縮性側索硬化症(ALS、ルー・ゲーリッグ病)での4年間の闘病生活を送った後、2009年に死去。ダッチブロスはその後、毎年およそ580万ドルを地元の慈善団体やその他の非営利団体に寄付している。

最高経営責任者(CEO)のトラビスは発表文で、「TSGはわが社のビジョンを理解し、わが社特有の文化と、従業員と顧客、地域社会への貢献を高く評価してくれている。われわれは事業の成長と拡大に関する野心的な目標を設定した。わが社は(TSGからの出資によって)このほど得た推進力に基づき、可能な限り最も戦略的に前進していく。TSGがそれを支援してくれると確信している」と述べている。

編集=木内涼子

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