カーリースが専門の米スワップアリース(Swapalease)の幹部、スコット・ホールは、テスラは「モデル3」のリースという競争力ある事業を展開することで、多くのものを得ることができると語る。
テスラが現在、自社でリースを行っているのは高額のセダン「モデルS」とクロスオーバーSUVの「モデルX」のみ。EVに対する税制優遇措置が廃止される見通しの米国で、テスラにとってリースは実際のところ、非常に重要な意味を持った事業になり得る。
テスラはモデル3とリースについて、以下のように述べている。
「今年第3四半期(7~9月)に納車したモデル3は、大半がより高額のタイプであり、支払い方法にはローンが利用され、納入先が北米のみに限定さていた。モデル3には今後、このモデルが適した市場でのリース事業の開始、スタンダードバッテリーなどより価格を抑えたタイプの販売、米国以外での販売という大きな成長の機会が残されている」
テスラの決算報告によれば、同社の今年第2四半期の販売台数のうち、自社のリース事業に充当された割合はわずか6%だ。ホールはテスラに同事業の拡大の機会があることについて、非常に大きな利点だとみている。
高級車はリースに「依存」
ホールによると、「リース事業を主導してきたのはこれまで、常に高級車だった」。高級車は販売台数のうち、同事業に充当される割合が大きいものが多い。BMWをはじめ、多くは販売台数のうち50%以上がリース事業向けだ。
自動車ビジネス関連の情報を提供する「オートモーティブニュース」によれば、インフィニティ、レクサス、アウディ、メルセデスベンツもまた、この割合が50%を超えている。ジャガーとリンカーン、ランドローバーは48%だ。
「モデル3は高級車ではない」という人もいるかもしれない。だが、ホールによれば、そのブランドイメージと現在の平均販売価格から考えれば、「間違いなく高級車のカテゴリーに入ると考えられる」。
ホールはまた、高級車カテゴリーにおいては「リース事業にいくつかのメリットがある」と指摘する。その最大の理由は、消費者が購入するより低価格で高級車に乗れるということだ。より多くの消費者にとって、高級車市場をより開かれたものにすることができる。
テスラの場合、リースは完全なEVを購入することへの不安を解消する方法にもなる。潜在顧客の中には、自分のライフスタイルにEVが適しているのかどうかが心配な人もいるだろう。また、高価なバッテリーパックの経年劣化に不安を感じる人もいるかもしれない。
テスラは当然リース事業を強化すべきだとして、ホール次のような見方を示している。
「リースはどのメーカーにとっても、優れたマーケティング戦略だ。価格と採用されている技術からみれば、高級車メーカーにとってはなおさらそうだ。競争力を維持するために必要なビジネスだ」