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Dudarev Mikhail / shutterstock.com

2017年9月に始めたバックパックの製造販売のビジネスで、5万ドル(約560万円)近くの利益を出し、さらには全米の食料困難を抱える家庭に2万5000食以上を提供してきたミレニアル世代の夫婦がいる。

コロラド州デンバーで「Adventurist Backpack Co.」を経営するマティルダ・サンドストローム(23)とケリー・ベルナップ(27)だ。ベルナップと、スウェーデン北部の小さな村から移り住んできたサンドストロームはカフェで出会い、わずか半年後に結婚。「出会ってすぐ、私たちには世界を見て回りたい、人々を助けたいという共通の夢があることに気づいた」とサンドストロームは言う。

二人がこれまでに訪れた国は合計30カ国以上。そのほとんどは一緒に旅した国だ。ある夏、ヨーロッパをバックパックで周っていた二人は、各地で受けてきた親切を返すことにした。食材を買い、一食分ずつ小分けした食事を用意し、恵まれない人々たちに提供したのだ。

「一人分の食事を提供することが大きな社会問題の解決につながるわけではない。ただ、ちょっとした親切を広め、思いやりの心を伝えたいと思った」とベルナップは語る。

その後デンバーに戻ったサンドストロームとベルナップは、国内の問題に目を向け始めた。アメリカでは2015年の時点で4223万8000人が空腹や飢餓を抱えており、その数は国民の8人に1人に相当する。一方で二人は、荷物を天候から守り、安全に運べるバックパックの重要性を痛感した経験から、バックパックの製造販売を始めようとしていた。

成人用バックパックの市場は盛況で、イギリスで1億ドル(約112億円)、アメリカで27億ドル(約3020億円)の規模を誇る。自分たちのビジネスにはチャリティの要素が不可欠だと考えていた二人は、全米の200以上のフードバンクのネットワークであるNPO「Feeding America」と組むことにした。

Adventurist Backpack Co.のバックパックは1個65ドル。サンドストロームとベルナップは1個売れるたびに、Feeding Americaに25食分の資金を提供する。

「Feeding Americaは農家から(商品にならない)見た目の良くない作物を大量に安く仕入れることで、低コストの食事を提供することができている。そのシステムにより、私たちが何食分の食事に貢献できたかがわかる仕組みだ」とベルナップは説明する。北米では、見た目が悪いという理由で市場に回らない果物や野菜は全体の5分の1を占める。

創業3年目にあたる来年の二人の目標は、9万ドル(約1000万円)の利益を出し、7万5000食を提供することだ。

編集=海田恭子

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