第1回目のテーマは、「尊敬している人物」について。自らが憧れの対象となることも少なくない彼らの尊敬する人物を聞いた。第2回目のテーマは「愛用する仕事道具」。一流クリエイターが常に携帯し、愛用するものとは一体何なのか。
安田翔平|シェフ
いま話題のレストラン「kabi」のシェフを務める安田翔平が愛用するのは、老舗のレザーシューズブランド「ALDEN(オールデン)」の「45491H」というブーツだ。
オールデンのブーツ(solkanar / Shutterstock.com)
オールデンとは、1884年にアメリカで生まれたシューメーカーで、アメリカントラッドを象徴するシューズ。無骨でベーシックな見た目と、その品質の高さでファッションシーンでも長く愛用する人が多い。安田は「料理人が履くコックシューズが好きではなく作業靴、普段靴として愛用しています」と話す。店内の雰囲気だけでなく、調理中の足元まで洒落ている。
安田翔平◎大阪の料理学校を卒業後フランスへ。帰国後、大阪の二つ星レストラン「ラ・シーム」で働く。その後、世界最速で一つ星を獲得した東京・白金台のフレンチレストラン「Tirpse(ティルプス)」でスーシェフを務める。2015年12月から約1年間デンマークへ渡り、一つ星レストラン「Kadeau(カドー)」でシェフに。17年11月、目黒に「Restaurant Kabi」をオープン。
市原えつこ|メディアアーティスト
井田幸昌|アーティスト
テクノロジーを駆使し、独自の視点で切り取った作品を制作するメディアアーティストの市原えつこ氏。一方で、「一期一会」をテーマにした作品をつくり、名和晃平や前澤友作などから愛される若き現代アーティストの井田幸昌氏。似て非なる二人の「アーティスト」からの回答が、「スケッチブックと紙の手帳(市原)」「紙とペン(井田)」だった。
Panudda / Shutterstock.com
いまは手帳でもメモでも、スマホで完結する人はとても多い。ましてや、メディアアーティストならなおさらなのではと思ったが、市原は「基本デジタル中毒なのですが、アイデアや妄想を練ったり予定を立てたりするのは、なぜか紙とペンではないと落ち着きません」と話す。
市原えつこ◎1988年愛知県生まれ。日本的な文化・習慣・信仰を独自の観点で読み解き、テクノロジーを用いて新しい切り口を示す作品を制作する。2018年、アルスエレクトロニカInteractive Art+部門でHonorary Mention(栄誉賞)を受賞。
井田幸昌◎1990年鳥取県生まれ。2016年東京芸術大学美術学部油絵専攻卒業。2016年、VOCA展2016に出展、また現代芸術振興財団が主催する第3回CAF賞で名和晃平賞を受賞。18年、Forbes JAPANが主催する「30 UNDER 30」に選出。
田川欣哉|Takram代表
表参道にオフィスを構える、イノベーションファーム「Takram」代表の田川欣哉氏が愛用するのは高級筆記具ブランド「MONTBLANC(モンブラン)」の「モンブランM」というペン。
360b / Shutterstock.com
2015年に発表された「モンブランM」コレクション。「(オーストラリアのプロダクトデザイナー)マーク・ニューソンがデザインしたペンで、気に入っています」。
田川欣哉◎ハードウェア、ソフトウェアからインタラクティブアートまで、幅広い分野に精通するデザインエンジニア。グッドデザイン金賞など受賞多数。内閣府クールジャパン戦略アドバイザリーボードメンバー。2015年より英国ロイヤル・カレッジ・オブ・アート客員教授。