フェイスブックでは今後、自社システムで検証された大麻関連ビジネスの情報が表示されるようになる。フェイスブックが正当な組織だと確認したビジネスのページには、青またはグレーの検証マークが表示される。
大麻市場調査会社ブライトフィールド・グループのベサニー・ゴメス調査部長は「フェイスブックが違法薬物取引と正当なビジネスを区別し、大麻産業に対しより繊細な見方をするようになったことは有望な動きだ」と述べた。
大麻関連企業はこれまで、法的な規制によりマーケティング面で不自由を強いられてきた。大麻の販売が許可されている州では、包装や広告に厳しい規制が設けられているからだ。
大麻飲料などを製造するキーフ・ブランドのエリック・ナットソン最高経営責任者(CEO)は「従来のチャンネルの大半は私たちに対して閉ざされていた」と、言う。
大麻マーケティング会社アーティザン・オン・ファイアの共同創業者、ダスティン・イアノッティは、グーグルやフェイスブックなどが行っていた法規制以上に厳しいマーケティング規制は、大麻関連企業のデジタルマーケティングにおいて大きな影響を及ぼしてきたと語る。
「どの業界でも、戦略上で健全なデジタルマーケティング活動の企画は、グーグルやフェイスブックの広告に終始する。大麻産業が生まれて以来、関連企業はこうしたタイプのマーケティングでの障害に対処してこなければならなかった」
フェイスブックの検索結果に大麻関連企業が表示されるようになった今、大麻業界はさらなる一歩を期待している。
「企業を検索できるようになったのは、最初のステップにすぎない」。こう語るのは、吸入器などの大麻関連製品を製造するダ・ビンチ社のショーンテル・ルドウィグ事業部長だ。「次のステップとして、フェイスブックには広告を許可してほしい。私たちは、フェイスブックなどで潜在顧客に向けたターゲット広告の開始を切望している」
大麻ビジネスの「弱点」解消に向けて
ソーシャルメディアが大麻ブランドに門戸を広げることは、顧客データや購買層情報へのアクセス拡大も意味する。こうした情報の収集は「これまで大麻ビジネスの弱点だった」とイアノッティは語る。
大麻事業が広告などのデジタルメディアツールに進出することは避けられないという見方もある。大麻薬局を展開する企業ゼン・リーフ・ディスペンサリーズを創業したジョージ・アーコスは、大麻に関する科学は発展を続けており、人々は情報を欲していると指摘する。
ゼン・リーフはイリノイ州、メリーランド州、ネバダ州で店舗を展開している。合法化が進むにつれ、「フェイスブックが認可された大麻関連企業の広告掲出を許すのは理にかなっている」とアーコスは語った。