元アップル社員が設立の「自動運転の視覚」Aevaが4500万ドル調達

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アルファベット傘下の「ウェイモ(Waymo)」やゼネラルモーターズ傘下の「クルーズ(Cruise)」は、ロボットタクシーの商用化を行おうとしている。

しかし、自動運転技術が広く普及する上では、より高性能で安価なセンサーが欠かせない。元アップルのエンジニア2人が設立したシリコンバレー発のスタートアップ「Aeva Inc.」は、この課題の解決に取り組むため、次世代センサーの開発を行っている。

カリフォルニア州マウンテンビューに本拠を置くAevaは先日、Lux CapitalとCanaan Partnersが主導したシリーズAラウンドで4500万ドル(約50億円)を調達したことを明らかにした。

同社は、2017年のシードラウンドで350万ドルを調達していた。Aevaは、2020年初めから靴箱ほどのサイズのセンサーの大量生産を開始する予定だ。今回調達した資金は、オペレーションの拡大に充当する。

「我々は、次世代センシング技術が必要だと考えており、安全、シンプル、スケーラブルな自動運転車向けテクノロジーの開発を目指している。調達した資金は、マス市場向けに製品を供給するために使いたい」とAevaの共同創業者であるSoroush Salehianは語った。

もう一人の共同創業者のMina RezkとSalehianは、アップルで「Special Project Group」に所属し、極秘プロジェクトである自動運転技術の開発に携わった経歴を持つ(2人ともアップルでのプロジェクトについてはコメントを拒否した)。

2人は昨年Aevaを設立し、現在は約50名の開発者やエンジニアが同社に勤務している。ウェイモのミニバンやGMのシボレー・ボルトから他社のプロトタイプまで、自動運転車の車体の上にはLiDARセンサーやレーダー、路面の3D画像を生成するための複数のカメラなど、高価な器具が積み上げられている。

これに対し、Aevaのシステムは1つのボックスにこれらの機能を統合しており、高速道路を走行中であれば200メートル先の物体を検知することができる。

「我々のテクノロジーを使えば、LiDARのように物体の奥行や速度を測定することができる。また、レーダーよりも高い解像度で瞬間速度を測定でき、カメラと高精度のモーションスピードセンサーが搭載されている」とRezkは話す。

彼はアップルに入社する前、ニコンで自動車や航空宇宙業界向けにハイテクカメラを開発していた。Aevaは、既に自動車メーカーにセンサーを供給している。
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編集=上田裕資

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