ミレニアル世代の心を掴む
ミレニアル世代を狙いブランドイメージを転換
若者への対応も大きな課題。約4割の企業が、彼らに訴求できるブランドイメージに転換すべきだと考えている。
ミレニアル世代への対応の投資対効果が低い
「パーソナライズ化」はミレニアル世代のキーワードだが、企業活動で取り組んでも期待どおりの利益が出ていない。
ミレニアル世代と、それ以前の世代の違いの理解を重視
ミレニアル世代に向けてブランドイメージを転換すべきだと考える割合は高い一方で、それ以前の世代のニーズとの違いの理解を重視する日本のCEOの割合は、調査国の中で最低。未来の消費市場を担う若者への訴求を狙ってはいるものの、その姿勢が他国とは少々異なる。なお、最もミレニアル対応に注力するのはオランダで、56%。
新たなスキルを持った人材の採用は慎重に進める
主要国の半数以上の企業が、成長目標が達成されるまでは新たな人材確保は行わないと回答。採用計画には慎重なようだ。
自社の人員数の増加の予定
今後3年間の人員増加予定は、昨年調査よりもやや保守的。日本企業は、「6〜10%の増員」が71%から29%に大幅減。
自社の将来のために必要な人材
日本・世界全体ともに1位は「データサイエンティスト」。特に日本で関心が高く、「サイバーセキュリティ専門家」と併せてAI・ビッグデータ分野への期待感が表れている。ほかに日本・世界全体で共通して重視されているのは、「新興市場の専門家」。これまで取り組んでこなかった市場への進出で成長を実現しようとする企業の多さがうかがえる。
経営モデルの抜本的変革を率いる準備ができている
全体で「経営モデルの抜本的変革を率いる準備が個人的にできている」と回答したCEOの割合は71%。全調査国内で一番割合が高かった米国(91%)のCEOは、積極的に業界の先駆者になろうとしており、86%が自社の所属するセクターを積極的に破壊しているという。一方で日本(47%)と中国(58%)の数値は、調査国内でワースト1、2だった。
KPMGジャパンCEOの酒井弘行は、日本企業の値が低い原因を、「デジタルフォーメーションへの対応不足」だと指摘。ただし「欧米人のCEOは強気な姿勢が期待される一方で、謙虚な性格の日本人の場合、こうした調査では控えめに答えている可能性もある」。
顧客データの保護はCEOの最も重要な責務
顧客データの保護は、あらゆる産業において企業が欠かすことのできない重大な責任の一つだと認識されている。米国やオーストラリアなどのIT先進国が高い数値を示す結果に。特に米国は、企業がデジタル世界で顧客からの信頼を得るのがいかに難しいかを認識している。
自社の技術投資は短期の事業課題解決への対応にとどまる
「自社の技術投資の大半は、長期計画に重点を置いた戦略的投資ではなく、短期の事業課題を解決するための戦術的投資である」との回答は、世界全体でも目立ち、長期的な変革が後手に回っているようだ。唯一、米国はデジタル変革に対する意識が高く、10%代と低い結果が出た。
技術的破壊はチャンスである
日本でも世界でも、ほとんどのCEOが技術的破壊をピンチだとは考えていない。変革をもたらすチャンスだと認識している。
今後3年間で自社のイノベーションプロセスを改善
世界全体に比べて、日本の割合は22ポイント高い。自社の体質改善を急務だと考えるCEOが多いようだ。
変革のためのリードタイムに苦慮
日本企業では、改革の実現に時間がかかることが悩みのタネ。体質改善を急ぐ姿が、ここからもうかがえる。