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杉山文野(左)、勝間和代(右)

2018年9月上旬、LGBTをカミングアウトしている著述家・評論家の勝間和代が、自民党の衆議院議員である杉田水脈の「LGBTは生産性が低い」発言を批判した。

マッキンゼーやモルガン・スタンレーで活躍し、仕事術などの著者として「カツマー」と呼ばれる熱狂的なファンを生み出してきた勝間。5月に現在進行形で増原裕子とパートナー関係を続けていることをカミングアウトし、物議を醸した。

聞き手は、女性としてフェンシング日本代表になった過去をもち、今年15万人を動員した日本最大級のLGBTプライドパレード、NPO法人東京レインボープライドの共同代表理事を務める杉山文野。2人の対談では、杉田の発言、そしてその裏に潜む日本人のマイノリティに対する意識が語られた。

社会で、企業でLGBTへの配慮が必要とされる現状を、彼女はどう考えているのか。

杉田水脈「与党が差別に加担するのは、その方が支持されやすいから」

杉山:LGBTの制度設計で大変なのは、平等のためにやっていることなのに、マジョリティの方には「LGBTのための新しい制度」だと思われてしまうことです。

勝間:杉田水脈さんの発言も、背景にはそれがありますよね。彼女は「支援を減らせ」と言いますが、減らすも何もそもそもLGBTは特に支援されていません。パートナーと籍を入れることはできませんし、相続の問題もあります。税金の面でもすごく不利です。いま進んでいるのはあくまで格差の是正なのに、彼女はそれをLGBTの優遇だと捉えている。

杉山:性同一障害特例法でも、戸籍変更は生殖器の摘出を含むので、僕もまだ戸籍上は女性扱いです。だから、いま付き合って8年になる女性のパートナーがいますが、彼女と法律上結婚することはできません。同じように税金を納めているにも関わらず、制度を使える人と使えない人がいるのは何故なのでしょうか?「すべての国民を平等に」と言いながらこの現状では憲法14条の平等権にも反しています。

勝間:ああいった発言をすれば支持を得られると自民党という政党が思っていることこそが、杉田さんの発言がもつ根本的な問題ではないでしょうか。政党の支持基盤が地方の高齢者なので、保守的な発言がウケると思い込んでいるんです。

今回、彼女の発言がブーイングを受けて、LGBT差別は問題だったという認識が自民党内部でも生まれている。その意味では、今回の騒動も結果としてはよかったのかもしれない。

どんな人にだって、直接的に他人を変えることはできません。あくまで、人が変わるためのきっかけをばらまくことしかできないんです。杉田さんの発言がそのきっかけになったのなら、悪くないと思いますよ。

文=野口直希 写真=小田駿一

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