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2018.09.18 07:00

社員はどうすればハッピーになるか 全米最強HRテック幹部の回答

(左)Workday日本法人社長 ロブ・ウェルズ(右)リンクアンドモチベーション取締役 麻野耕司

「働き方改革」の実現に向けての重要な鍵はHR Techだと言っても過言ではない。中でも、全米企業がその総収入においてランキングされるFortune 500の内、30%以上の企業が利用しているのが「Workday」だ。
 
「日本は米国から10年遅れている」とも言われる同領域におけるリーディングカンパニーは、日本企業を取り巻く働き方の現状をどのように捉えているのか。
 
リンクアンドモチベーション取締役の麻野耕司氏が、直近の5年間でオーストラリアおよびニュージーランド地域においてWorkdayを大きく拡大させ、本年から日本法人の社長に就任したRob Wells(以下、ロブ・ウェルズ)氏に話を伺った。
 
社内の優秀な才能を早期発見し活用することで、労働生産性は高まる
 
麻野:日本企業の人事を変革していくキーマンの一人とも言えるロブ・ウェルズさんに、日本企業はHRという観点からどのように変化を遂げていくべきか、ぜひお伺いしたく思っています。
 
ロブ:「働き方改革」をはじめとした、さまざまな動きを受け、企業内で従業員の管理方法を変えなければいけない認識が強まることは確実だと思います。
 
ただ日本企業は、時間管理の方法を変えるニーズに対して、勤務時間を記録するなど戦術面ばかりを考えがちです。
 
私たちは、働き方改革で実現すべきは、生産性の向上だと考えています。そもそも、効率良く生産性を向上させることができれば、長く働く必要はなく、企業が打つべき施策も変わってくるでしょう。
 
麻野:私も働き方改革は労働時間の適正化から、労働生産性の向上へと移っていくと思います。日本企業の労働生産性を高めていくためのポイントは、何だとお考えでしょうか。
 
ロブ:そうですね。日本のGDP(国内総生産)の大半を自動車業界が支えていると思いますので、自動車業界を例にお話ししますが、今後10年、20年と売れる車を作り、企業として成功し続けるためには、何か大きな技術的シフトをしなければいけないわけです。
 
持っている技術を、リ・エンジニアリングするということですね。これまで企業を牽引してきた研究開発部門の人たちは、とても優れたエンジニアであったことは事実です。
 
しかし、シリコンバレーに目を向けてみると、どうでしょうか。若く優秀でクリエイティブな才能に富んだ人たちによって、新しい技術がどんどん開発されています。彼らは、時代を引っ張っていく存在なのです。
 
麻野さんのご質問にお答えするならば、才能を持った人たちを、早い段階で見つけ出すことが必要です。そして彼らのスキルを認め活用することで、企業内に変化を引き起こすことがポイントになると思います。
 
麻野:例えば、企業内に変化を引き起こしていく上で、Workdayはどのような貢献ができそうでしょうか?
 
ロブ:Workdayが他社と異なるのは、ユーザーフレンドリーで革新的なHCM(Human Capital Management)のシステムである、ということです。採用やトレーニングといったさまざまなシステムを、異なるベンダーから取り入れる必要はありません。
 
 

つまり、Workdayのシステムひとつで良いわけです。具体的には、現在の日本の人事は、従業員に対して、キャリアの方向性を提示していると思います。それ自体は別に悪いことではないですし、そのやり方が完全になくなるとは思いません。
 
しかし、従業員自身も、今後どのようなキャリアを積んでいくのか、自分でコントロールしたいはずです。Workdayのシステムは、企業側だけではなくて、従業員にとっても大変使いやすいものになっているのです。
 
例えば、オポチュニティグラフという、従業員に対する今後のキャリアの予測分析があります。「あなたの次のステップ」をいくつか提示してくれるので、その中から選択していくことができます。さらには、社内で自身と同じようなキャリアパスを辿った人たちとつながることもできる。
 
進みたいポジションや、現在空席のあるポジションにおいて必要になるスキルも提示され、そのスキルを獲得するためのトレーニングクラスや参考にするべきビデオなども推奨されます。しかもこれらは、自身のモバイルツールで2回タップすれば十分。それくらい使い方は簡単です。
 
いま申し上げたようなすべての情報が全てつながっていて、ひとつの環境で展開できることがWorkdayの貢献できることだと思います。
 
麻野:戦略的な人材能力開発や最適配置の実現は、各社なかなかできていないことのはずです。テクノロジーの力で実現していけるのであれは非常に望ましいですね。
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文=伊勢真穂 写真=若原瑞昌

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