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働き方改革の先にあるもの

Pressmaster / Shutterstock.com

「棺桶型」ともいわれる高齢層の多い人口構成図になっている日本では、とかく「働く環境」というと、「いかに高齢者に働いてもらうか」、「いかに高齢者が働ける環境をつくるか」に焦点が当たりがち。若者の働き方に大きな焦点があたるのは、過労自殺や過労死が取り上げられるときとも言えるかもしれません。

2020年までには、世界の労働人口の50%以上がミレニアル世代以降の若者によって担われる時代になると言われています。ミレニアル世代が労働者になり始めた15年ほど前から、「デジタルネイティブ」の働き方をどうレバレッジするか、次世代を担う若者であるミレニアル世代の学び方やリーダーシップをどう育成していくのかは、日本でもその活動の普及に努めているATD(Association for Talent Development)でも最も関心が高いトピックであり続けています。

大きな変化があったのは、ツイッターやフェイスブックなどSNSが浸透し始め、それが生活の一部となっているミレニアル世代の働き方にどう企業がどう対応すべきなのか、デジタルネイティブの学び方自体が変わってきている中、企業において人材の育成を担う世代が旧来の考え方で育成をしていていいのかが問われました。

それから10年以上、テクノロジーの進化はスピードを増し、今やチャット機能を使った働き方や、「場所」に縛られないチームで働くバーチャルチーム、リモートワークは世界中に浸透しています。

一方、日本でも政府の「働き方改革」の声掛けによって、「テレワーク」も増え始めましたが、その主眼は、若い世代の特徴を活かすためというよりは「女性の働き手をより有効に確保し続けたい」というところにありそうです。

しかし、2016年において日本でもすでに39歳以下の労働者の割合は、65歳までの総労働人口に対して44%占めていることが総務省のデータでも示されています。つまり、労働のほぼ半数近くは、15歳〜39歳の若い人たちによって担われているということですが、どれだけそれらの世代の価値観や働き方に焦点を当てた「働き方改革」が行われているでしょうか?

ミレニアル世代によって起業されたような新しい会社やIT企業は別として、製造やサービスを中心とした多くの企業における「働き方」や「働かせ方」のアプローチは、旧来のアプローチから変わっておらず、「働き方改革」一環として進められているデジタル化にも、「効率化(=時短)」が目的であったり、政府への対応のためのアプローチになってしまっていたりすることもある、という現状を見聞きします。

育ってきた環境がデジタル(例えば今ならスマートフォンが中心)である場合、それを企業の今までの習性に合わせるのではなく、「どのようにその強みを活かすか」は、真剣に考えられてきたでしょうか?

私の専門分野でもある「人材開発」の視点から見ると、未だに多くの企業が「新人教育」と言われる場が、自分達企業が「古くから」行ってきた企業の習わしに修正する場になってしまっていると思えてなりません。

ミレニアル世代、ポストミレニアル世代=Z世代のコミュニケーションへの影響

デジタル世代の大きな特徴として言われるのが、そのコミュニケーション方法の違いです。コミュニケーションは、言うまでもなく、仕事や働き方へ大きな影響を及ぼします。

そう考えると、働き手の半分を占める世代の新しいコミュニケーションの仕方を学ばずに旧来のコミュニケーション方法(例えば、全員が会議室へ集まっての会議や電話やメールを中心としたコミュニケーション、PCというデバイスのみに限られるコミュニケーションなど)に「修正」仕様とすることの方がよほど無謀なことにも思えます。

では、欧米やグローバル企業などではミレニアル世代、そして新しく労働者として参入し始めているZ世代をどうとらえ、彼らの価値観や育成環境から得られている特徴を活かそうとしてるのでしょうか。

文=中原孝子

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