ミレニアル世代、Z世代の特徴
ミレニアル世代といったとき、一般にいつ頃に生まれた人達を指すのでしょうか。ジェネレーションYとかジェネレーションMeと言われる区分の人たちとの境目に様々な解釈もあるようですが、一般に小さいころからPCに触れることが可能であった環境で育った1980年から1996年生まれを「ミレニアル世代」と呼んでいます。
では、彼らの特徴とはなんでしょうか。よく言われるのが、高い教育を受けている世代であり、テクノロジーに対してポジティブ、起業家精神があり、環境意識が高く、市民指向であり、進歩的であるということです。日本における世代区分とは幾分違っているかもしれませんが、いわゆるミレニアル世代以降、世界におけるテクノロジーの生活への浸透を考えると、その傾向に大きな違いはないのかもしれません。
イギリスのPark Communicationsの調査(世界23か国)によるとミレニアル世代は、
・91%が習慣的なインターネットユーザーである
・73%が週40時間以上働いている
・26%がグローバルな仕事をしており、2つ以上の有給業務についている
・12%が引退はまずないだろうと言っている
という数値を示しています。
ポストミレニアルのZ世代はどうでしょうか。1996年以降生まれの若い世代ですが、インターネットなしでは世界を知ることすらできない世代という意味で、本当のデジタルネイティブと言える世代グループです。すでに労働者の仲間入りをし、今後の労働力という意味でも、新しい働き方の概念を持ち込むかもしれない世代として考慮していかなければならない世代です。Park Communicationsの調査によると、彼の傾向として次のようなことが見えてきたそうです。
・より短い、インフォーマルなコミュニケーションを好む
・さらに起業家世代になる可能性が高い
・61%が尊敬できる上司を求めている
・58%が夜間や週末にも仕事をしたい
これらから見えることは、Z世代の方がミレニアル世代よりも野心的で、仕事に対して意欲的であるということが言えるのかもしれません。しかも、ミレニアル世代の多くは、自分達にとって意味のある仕事、新しい仕事への挑戦があれば今の会社により長くいたいとも答えているというのです。
総じて、ミレニアル世代以降の新しく仕事を担っていく世代が「働く」ことに求めていることは、
・自分が挑戦できる新たな仕事の機会があること
・SNS機能も含む柔軟で恒常的なコミュニケーションがあること(情報の恒常的なアップデートが保たれることも含まれる)
・フィードバックと個人の貢献に対する認知があること
・自分の生活の一部として仕事も管理できるような柔軟な働き方ができること(9〜5時の働き方には縛られたくない。自分のライフペースに合わせてより柔軟な働く時間や場所の選択肢が欲しい、一つの会社の一つの仕事だけではない選択肢もあること、Co-Workingできるスペースがあること)
というようなこと。このような新しい働き方に対する価値観をもっている世代が担う未来の働き方は、大きく違ってくることがこの調査からもうかがえます。
ミレニアル世代の働く価値観を積極的に取り入れる
コミュニケーションの仕方がデジタルテクノロジーの日常化によってこれまでの世代とは違うことが、その働き方の価値観、もちろんそのコミュニケ―ションニーズにも影響しているわけですが、日本では、どれだけその新しい働き方の価値観を企業の仕組みや働き方に活かしているでしょうか?
近頃、パフォーマンス・マネジメントのシステムの一環として、業務に対してのフィードバックだけではなく、頻繁なチェックインを行うことも推奨している企業があるのも、こういったミレニアル世代以降の働き方に対する対応でもあるでしょう。
企業として単純に新しい「人事評価制度」の導入として捉えてしまうと、新しい働き方を求める次世代に対して有効な価値を示すことができないまま、単なる「制度」となってしまう可能性もあるかもしれません。
「副業」もキャリアオポチュニティーの一つであり、デジタルの場も含めたCo-Workingスペースの提供は、自分の可能性に対するチャレンジの場であり、リモートワークやテレワークが可能な環境があることは、自分で自分の仕事時間を管理できる柔軟な働き方を実現するための手段であると考えられます。
単に「生産効率」や「コスト」はたまた、「国の政策だから」といった観点からではなく、働き方に求められている新しい世代の価値観であること念頭すると、もっと積極的な未来志向の「働き方改革」が実現できるように思えます。