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Alexander Lukatskiy / shutterstock

「世界最先端の電子国家」と呼ばれるエストニアに次いで注目が高まるのが、バルト3国のリトアニアやラトビアだ。人口約200万人のラトビアは、決して認知度の高い国とはいえないが、ドロップシッピング分野で世界的な知名度を獲得した企業が「プリントフル(Printful)」だ。

プリントフルが手がけるのは、オンライン経由で注文を受けるTシャツやポスターなどの作成から在庫管理、発送までを請け負うドロップシッピングサービスだ。プリントフルを用いれば、オジリナルのデザインのアイテム販売を、在庫リスクを抱えず手軽に行なえる。

創業5年の同社は現在、約400名を雇用。そのうち250名が米国、150名がラトビアの首都であるリガ在住の社員たちだ。ローリス・リバーツ(Lauris Liberts)とデイヴィス・シクスナンズ(Davis Siksnans)の2名が立ち上げたプリントフルは、今や6400万ドルの売上を生む企業に成長し、年内に登録顧客数100万人の突破を目指している。

「子供の頃からインターネットが好きで、13歳になると友達のために簡単なウェブサイトを構築するようになった」とシクスナンズは話す。

プリントフルのアイデアを思い立ったのは「ラトビアのマーク・ザッカーバーグ」と呼ばれる連続起業家のリバーツだ。彼は米国に住んでいた時代にプリントフルの前進となる企業を立ち上げ、ラトビアに住むシクスナンズがそのマーケティングを手伝っていた。

事業は拡大し、大量のグッズのプリントを請け負う業者を探したが、当時は納品に時間がかかり、品質も低い業者がほとんどだった。「その頃はAPIを用いた自動化テクノロジーも普及しておらず、自分たちでサービスを立ち上げればうまくいくと考えた。少量のロットのTシャツなどを迅速に納品できる業者を求めるEコマースサイトは、世界中にあるはずだと思った」とリバーツは話す。

プリントフルが急速な発展を遂げた背景には様々な要因があるとシクスナンズは述べた。「その1つは、若い世代がGapやH&Mなどのファストファッションに飽き始めていたこと。オリジナルのアイテムを求める消費者が増え、オンデマンドのプリントの需要が高まった」

カナダ大手「Shopify」とも提携

ソーシャルメディアの普及もこの市場の成長を後押しした。「SNSを通じて、誰でもオリジナルのグッズを宣伝できるようになった。在庫を持たずにプリントを発注できる業者を探す人が増えた」

さらに、近年はキム・カーダシアンのようなセレブが名義貸しを行なうのではなく、自身でブランドを立ち上げる動きも広まった。その際に重宝されたのがカナダの「Shopify」のようなグッズの製造やEコマース運営を受託する企業だが、プリントフルは初期からのShopifyのパートナーとして成長を遂げた。

「自分たちはその流れにうまく乗れた。Shopifyとのパートナーシップではwin-winな関係を築けた」とシクスナンズは述べる。

リバーツとシクスナンズの2名は、これまで累計1200万ドルの自己資金を同社に注いできたという。「外部からの資金の受け入れはしないと宣言したことはないが、スタートアップの運営にはスピードが欠かせない。当面の間は独立性を保ちながら、プリントフルを運営していきたい」とシクスナンズは語った。

編集=上田裕資

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