「投資対効果」の高い米大学 最新ランキング発表

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米国の大学の多くが入学手続きの期限としている5月1日が迫る中、複数の大学に合格した高校生らは、どの大学を選ぶかという重要な選択を迫られている。立地やカリキュラム、知名度など、あらゆる要素が選択に影響するが、最も重要なのは経済面だという人も多い。

私立大学に4年間の授業料を全額支払う学生は全体の14%。最も高額な大学でかかる費用は総額30万ドル(約3200万円)近くに達するが、大学卒業で得られる学位は果たして、費用に見合うものなのだろうか?

学生ローンや奨学金などの経済支援を受けることを検討している人にとって、問題はより複雑だ。全米教育統計センター(NCES)の報告書によれば、2015~16年度には4年制公立大学の学生の77%、私立大学の学生の86%が、何らかの資金援助を受けていた。

フォーブスは、大学の投資対効果を評価するため、今年で3度目となる「米国のベスト・バリュー大学ランキング」を作成した。

評価された要素は、純費用、総負債額、卒業生の収入額、予定通りに卒業できた学生の割合、教育の質、低所得者にとっての入学のしやすさ。対象は4年制大学で、フェニックス大学やデブライ大学のような営利目的の私立大学は除外した。州立大学に関しては、州内居住者向けの授業料を使用した。

ランキング1位はカリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)、2位はカリフォルニア大学バークレー校(UCバークレー)と、ともに大規模な州立研究大学が入った。去年から1位と2位が逆転した結果だ。

UCLAがUCバークレーに僅差で勝った要因は、年間の純費用がUCバークレーの1万7200ドル(約180万円)よりも低い1万4200ドル(約150万円)だったことや、連邦政府が支給する低所得者向けの給付型奨学金「ペル・グラント」を受給する学生の割合がUCバークレーの31%よりも高い35%だったことにある。

3位はブリガム・ヤング大学(BYU)。ソルトレークシティーにある学部生数3万人の私立研究大学だ。上位になった理由の一つに、モルモン教会からの支援により、授業料がたったの5200ドル(約56万円)、純費用が1万2900ドル(約140万円)という点がある。

卒業生のキャリア中期での平均年収は、UCバークレーが13万100ドル(約1400万円)とトップ3校では最も高く、UCLAの11万4800ドル(約1230万円)、BYUの10万6600ドル(約1140万円)がそれに続いた。年収情報は、給与情報サイト「ペイスケール(PayScale)」を参照している。

4位と5位には、いずれも州立研究大学のカリフォルニア大学アーバイン校とシアトルのワシントン大学が入った。続く3校にはアイビー・リーグ2校とアイビー・リーグ相当の1校が入り、6位はハーバード大学、7位はスタンフォード大学、8位はプリンストン大学となった。

これら3校の評価は全体的に高く、卒業生のキャリア中期の平均年収はハーバードが14万700ドル(約1510万円)、スタンフォードが14万400ドル(1510万円)、プリンストンが14万7800ドル(約1590万円)だった。
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編集=遠藤宗生

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