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2018.09.02 12:00

近未来のクルマはこうなる? ホンダ クラリティPHEV


クラリティの184psの総合出力と315Nmのトルクは速くはないけど、十分だと言える。0-100km/hの加速は、7.8秒と大型セダンそこそこかな。

アメリカの厳しいEPAの発表では「クラリティPHEVはEVモード走行では77km」とされているが、ホンダの日本国内のカタログを見ると、一回の充電で走れる距離は114kmになっている。これは、トヨタ・プリウスの68kmと比べると、ホンダのシステムはどれだけ優れているかがわかる。

クルマの航続距離を計算するのは、実はなかなか難しい。たとえば1日に走行する距離が平均して80km以下で、帰宅して充電するという人なら、ほとんどガソリンは消費しない。それなら航続距離は簡単に1000kmを超えるだろう。いや、数千kmになるかも知れない。



クラリティは静かで乗り心地がしなやかで、パワーを自由自在に伝達するので、気持ちのいい走りを提供してくれる。

2トン以上の重量をもつこのセダンは意外にフラットにコーナリングし、ボディロールが少ない。バッテリーパックやモーターがボディの低い場所に設置されているからだ。風切り音やタイヤノイズは低いし、回生ブレーキのペダルフィールは期待していた以上に自然で、しかも効きも良い。

室内はアコードを思わせるような、上質で、多少保守的なスタイリングになっている。ウッドのインパネ周りと本革のシートは見た目にも高級感があり、座り心地もワンランク上の快適性と言える。

スイッチ類もシンプルで、運転席からは楽にいじることができる。しかも、ギアセレクターはアコードから流用された真っ平らなもの。これは、好き嫌いがはっきりしそうだ。



588万円のクラリティPHEVは、多いに市場に訴える力があると思う。燃料電池仕様、EV仕様とは違い、PHEV仕様の航続距離は軽く1000kmを超えるし、走りもそこそこ高級、かつスポーティだし、質感のレベルはアコード以上だ。

結局、クラリティPHEVが成功するか否かは、賛否両論の外観スタイリングがどれだけ市場に受け入れられるかにかかっている。

国際モータージャーナリスト、ピーター・ライオンが語るクルマの話
「ライオンのひと吠え」 過去記事はこちら>>

文=ピーター・ライオン

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