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一般社団法人「東の食の会」事務局代表 高橋大就

日本には現在、新しいイノベーションの担い手を育てるコミュニティが生まれている。そこには自ら変革を起こすリーダーたちと若者たちの起業家精神を育てる仕組みがあった。


「東の食の会」の高橋大就・事務局代表は、「東北に関わっている人たちの間には、コミュニティとして、東北から日本全体へイノベーションを起こしていく、という共通意思のようなものがあります。東北と首都圏、生産者と消費者、行政と民間、農家と漁師、一次生産者と加工業者といったさまざまな壁がありますが、東北のブランドを高めるためには、地域が一つになる必要があり、私たちは意識的にこうした壁を乗り越えようと心がけてきました」と話す。

東の食の会は、震災の被害を受けた岩手、宮城、福島など東北地方の食材を使った新商品の開発やマーケティングの支援を通じて、東北の水産物や農産物のブランド力を高めるための活動に取り組んでいる。オイシックスドット大地、カフェカンパニーなどの食関連企業のメンバーが中心となって2011年6月に立ち上げた。



東の食の会がまず取り組んだのは、東北の業者と首都圏の外食・小売り企業をつなぐマッチング。東北と首都圏を結び付ける取り組みを手がける中で、生産者が徐々に活性化する手ごたえをつかんだ。そこで次に、プロデュース事業に着手。オリーブオイルで漬けたサバの缶詰「サヴァ缶」、高機能性海藻「アカモク」など、ヒット商品を生み出してきた。

東の食の会がマッチングとプロデュースにより生み出した東北の食品の流通総額は当初の5年間だけで約150億円に上った。

ただ、こうしたヒット商品を地元の人たち自身が生み出せるような状況をつくり出さなければ復興にはつながらない。そこで乗り出したのが“人づくり”だ。

水産業の担い手にマーケティングやブランディングスキルを伝授するブートキャンプ「三陸フィッシャーマンズ・キャンプ」を立ち上げ、参加者が自分たちの会社や商品をどう尖らせるかを徹底的に議論した。自分のブランド力を自分自身で高めることができるようにすることが狙いだった。

三陸フィッシャーマンズ・キャンプは「三陸」と名付けられていたものの、福島、宮城、岩手といった地域、また漁師や加工業者といった職種にとらわれずに、水産業に関わる地域の人たちをみな「フィッシャーマン」と呼び、広く参加を呼び掛けた。

文=池田正史 写真=若原瑞昌

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