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スティーブ・ジョブズ(Photo by Justin Sullivan/Getty Images)

先日に時価総額が1兆ドル(約111兆円)を超えたアップルだが、過去に資金が底を突き、危うく倒産しそうになった時期があったことは忘れられがちだ。創業者の故スティーブ・ジョブズはその時、ある奥深い質問を投げ掛けることで、会社を再び軌道に乗せた。

私は、インスピレーションを与えるリーダーシップに関する基調講演を行う際、聴衆にある動画を見せている。それはジョブズが1997年、少人数の社員会議を開いたときのものだ。

それは、1985年に解任されたジョブズが同社に戻ってから2カ月後のことだった。アップルの銀行口座に残っていた資金は90日分。先行きは暗く、同社の時価総額が米国の上場企業で初めて1兆ドルを超えることはおろか、会社が存続できると考えていた人はほとんどいなかった。



動画の中で、ジョブズはトレードマークの黒のタートルネックを着用し、青いジーンズの代わりに半ズボンを履いている。彼は、少人数の社員の前で、真剣で情熱的なスピーチを行った。ジョブズの見せた情熱とそこで投げ掛けた質問は、チームを鼓舞し、この逆境を切り抜けさせることとなる。

「宝石」に注力する

ジョブズは1997年9月23日に行われたこの会議で、アップルが製品ラインは「あまりに多すぎる」として、その約70%を打ち切ると発表した。ジョブズはこう語った。「アップルは、基本を洗練させることから離れてしまった。私たちは、宝石の30%に注力してきた」

それからジョブズは、製品ラインを削減すると決めた理由を説明。それは全て、次の奥深い質問から始まっていた。「アップルとはいったい何者で、この世界のどこに居場所があるのか」

この質問への答えが、アップルの象徴である「Think Different(人と違った考え方をしよう)」キャンペーンに結びつき、同社は米国で最も価値のある上場企業になることができた。ジョブズは「アップルとはいったい何者か」という自らの問いに、こう答えた。

「私たちの仕事は、人が仕事をするための箱を作ることではない。それも私たちの仕事の一つだが、アップルの事業はそれ以上のものだ。当社の中核となる価値観は、情熱を持つ人は世界をより良い場所にできると信じていることだ。世界を変えられると考えるほどクレイジーな人は、実際に世界を変えられる人だ」

ジョブズは、アップルでは製品のスピード性能などをうたうことをやめ、代わりにアップル製品が同社の中核的顧客層にもたらす利益を伝えると発表した。その顧客層とは、型にはまらないクレイジーな人々だ。

編集=遠藤宗生

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