同指数は、『フォーチュン1000』と『アム・ロー100』の企業を対象に、組織文化、リーダーシップ、アクセシビリティー、雇用状況、コミュニティー活動、支援サービス、サプライヤーの多様性といった項目を評価するもので、今回参加した145社は米国内で計780万人の従業員を雇用している。
喜ばしいことに、参加企業の94%で、障害者当事者、または障害者に理解のある人物として社内で認識されている人材が上級管理職に就いているという結果が出た。また、4分の3近くの企業で、障害者や障害のある退役軍人が経営していると認定された企業との取引実績があった。
USBLNのジル・ホートン社長兼最高経営責任者(CEO)によると、企業はDEI調査に参加することで、ビジネスのあらゆる面で障害者のインクルージョン施策に取り組む姿勢を示していると指摘し、次のように語った。「障害のある人材が自分らしく働ける包摂的文化を築くことが重要だ。企業各社は、自らの文化とリーダーシップ、雇用慣行、多様性を見直すことで、組織内の異なる部門を代表する機能横断型チームを構築し、機能横断型チームと協働させる複数のリーダーを特定している」
AAPDのヘレナ・バーガー代表は、CEOをはじめとする企業幹部がインクルージョン施策を推進していくことがとても重要だと語る。「考え方の面での障壁は依然として存在する。人々は障害者と共に働き始めなければいけない。これは私たちにとって最も難しい課題。『障害のある米国人法(ADA)』の存在は素晴らしいが、法によって人の考え方を変えるのは難しい」
米労働省の統計によると、障害者の雇用率は2017年には18.7%だった。2016年の障害者失業率は前年とほぼ同じ10.5%で、障害者の雇用見通しは変化していないことになる。
だが企業側には、障害者の仕事環境改善に向けた課題が、まだ多くある。DEI参加企業のうち、社内外のデジタル・アクセシビリティーに対する全社的な取り組みをしていたのはわずか55%で、採用面接の際に応募者の全員がアコモデーション(障害への配慮)を求めることができる旨を周知していた企業は44%だった。