人から感謝されることってなんだろう? と思い浮かべるとき、まず身近な人の顔が出てくると思います。会社員の方なら、上司や部下、家に帰れば家族だったりするでしょう。
ただ、「好き」を見つけるには、感謝してくれる相手が“多様”である方がいいこともあります。というのも、人から感謝されることって、自分にとっては当たり前にできてしまうことが多いのです。だから、身近な人から感謝されることほど、かえって自分では価値を見出せなかったりするのです。
僕は、BBQって実はものすごく効率のいいプロジェクトマネジメントだと思っています。「みんなで集まって肉焼いてビールを飲もう」という会であり、その大事なゴールは「モテたい」です。そうなると、会社でただ上司の指示を待つというような態度では、やっぱりモテないです。だからみんな、火起こしをやったり、笑いで盛り上げたり、肉を焼いたりと、自分を活かせる場面を探そうとするのです。
これは災害復興のボランティアなどでも同じです。力持ちなら瓦礫除去、料理上手ならまかない作りなど、飛び込んだ場面で、「自分の持つどんなスキルが活かせるか」考えざるを得ない機会をチャンスと捉えると、得意と好きの幅が広がりやすいです。仮に何もできなかったとしても、そういう自分が露わになることで、今の生活に何か足りないのかが見えやすくなります。
日常でアドリブを生かしてみる
つまり、会社での仕事のような、ある程度予定調和で済ませられる作業ではなく、アドリブを活かさざるを得ない機会に触れてみることを試してもいいのではないでしょうか。もちろん、仕事が忙しくてボランティアに行く時間がないという人が圧倒的に多いと思います。
それなら、電車の中で具合が悪そうな人がいたとき、人混みの中を窮屈そうに歩いているおばあちゃんを見たとき、道で迷っている外国人観光客を見たとき、今の自分ならどれくらい力になれるか。まずは声をかけるところから初めて、できることをやってみるという手もあります。潜在的なスキルほど、「いざという時」に突然引き出されることも多いです。
そこで見つけた得意なことが、仮に好きなこととは程遠かったとしても、まずは得意にフォーカスすることで、自分自身の価値が高まります。新卒であれば、まずは会社で自分の価値を見出そうと頑張ることは当然ですが、すでに転職を考えているような時期であれば、会社のフィールド外で、自分の価値を見出すやり方もあります。
ここでいう「フィールド外」って、学生時代なら当たり前にあった機会でもあると思うのです。サークルやアルバイト、ゼミもそうだし、フェイスブックとかインスタグラムで「いいね!」をもらうことだって、要は学生でいること以外の角度から、評価されている、ということでもあります。
つまり学生時代のように、会社と家の行き来以外のフィールドを持ち、評価される自分を見つけておくといいのです。会社員として数年働くようになるだけで、あなたには新たな得意なことや好きが備わっているはずです。自分のスキルが何かしらレベルアップしたところから、もう一度得意なことを見つけて強化したり、それと自分の「好き」と重ねて、磨き上げたりしていくのもいいのではないでしょうか。
連載:働き方革命最前線 ─ポストAI時代のワークスタイル
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