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イノベーション・エコシステムの内側

Joseph Sohm / Shutterstock.com

日本でもここ数年、政府の後押しもあり、急速に日本式イノベーションのエコシステムが構築されています。アクセラレーターも増え、大企業とスタートアップによるオープンイノベーションも盛んになり、異業種が出会えるコワーキングプレイスも続々とつくられています。

スタートアップに投資するベンチャーキャピタル(VC)だけでなく、地方銀行による支援も増えています。今後、日本経済を牽引し得るスタートアップが上場するケースもあるだろうし、海外の大企業に買収されるようなシリアルアントレプレナーも登場してくるのではないかと期待しています。

しかし、日本により多くの起業家を生み出すためには、エンジェル投資家の存在が欠かせません。エンジェル投資家が増えれば、VCや銀行から投資を受ける前でも起業ができるようになり、スタートアップの数は確実に増えます。

そして、それらのスタートアップが成功すれば、自らの経験もふまえて、今度は彼らがエンジェル投資家となり、後進のスタートアップを支援する。そのようなエンジェル投資カルチャーが日本にも根づけば、将来的に起業大国になるのではと考えています。

では、本場シリコンバレーで醸成されているエンジェル投資カルチャーとはどういうものなのか。日本にそれを根づかせる意味でも、知っていて損はないものだと思います。

我が子のようにスタートアップを育てる

シリコンバレーには、もちろん数多くのエンジェル投資家がいますが、彼らはそれぞれ投資協会をつくっていたりします。私も現在、2つのエンジェル投資協会に入会しています。

そのうちのひとつ、ほとんどメディアには出ませんが、シリコンバレーのヘルスケア業界では知らない人はいないのが、「ライフサイエンスエンジェルズ (LSA)」です。2004年に50人のメンバーで設立され、現在は145人のメンバーが在籍。これまでに23社がエグジットしています(2018年現在)。

私はもともと、ハーバードビジネススクールのエンジェル投資協会(HBSAA)に入っていたのですが、ヘルスケアに特化した協会を探していた際にLSA会長に出会い、入会を直訴。日本人で最初の会員になりました。会員のほとんどはシリコンバレー在住で、Cクラス人材として活躍されたのち、企業の経営や顧問をされながら財を築き、エンジェル投資されています。

女性の会員は20%で、夫婦で入会されている方々も数組います。夫婦でスタートアップ投資をしていて、しかも一緒に育てるなんて素晴らしいことだと感動しました。自分の子供だけではなく、他人の子供(スタートアップ)もわが子のように育てる。それは他のメンバーにも共通することですが、一所懸命に育てるという「愛」をLSAには強く感じます。

文=森若幸次郎

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