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世界10億ユーザーのメッセンジャーアプリ「WeChat(ウィーチャット)」を擁する中国の巨大IT企業テンセント。時価総額ではアリババグループに続き、世界7位という巨大企業に成長した。

同社がユニークなのは10億人のユーザーを持つ強力なアプリを持ちながらも、最大の収益源はゲームという点だ。

今年3月発表の2017年アニュアルレポートによると、総収入は2377億6000万元(約4兆400億円)の事業別内訳は、VAS(Value Added Service、ユーザーの課金による売り上げ)、ネット広告、その他の3分野にしか分類されていないため、詳細は明らかではないが、ゲーム売り上げが大半を占めるVASが65%と大半を占めている。ネット広告が17%、ウィーチャットペイなどの決済やテンセントクラウドの売り上げを含むその他は18%で、両者を足してもゲームには及ばない。

最強のアプリを持ちながら、収益は別のところから得るのがテンセントの戦略だ。中国IT業界には「流量為王」(アクセス数を持つものこそが王)という言葉がある。インターネットにはさまざまなサービスやアプリがあるが、そのサービスへの導線を持つ企業こそが優位に立つという意味だ。ポータルサイトから始まり、メッセンジャーアプリ、検索サイト、マイクロブログと王の座は転々としてきたが、現時点の覇者はテンセントで間違いない。

そしてテンセントの戦略とは、巨大アプリ「ウィーチャット」の持つ流量を生かして、別のサービスでマネタイズするというもの。今はゲームが圧倒的な収益源だが、動画配信サイトやストリーミング音楽サービスといった次の収益源も育ちつつある。中でも覇権を固めつつあるのがネット文学と漫画である。原作からコンテンツを育成し、ゲーム、映画、ドラマなどの大きな収益源とつなげるバリューチェーンを完成させている。

文=高口康太

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