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入試合格率は1.9%、現在世界で最も入学するのが難しいと言われているミネルバ大学の学生たちが、夏休みを生かして来日中だ。ブラジル、スイス、南アフリカ、パキスタンなど国際色豊かな20人の生徒が、東京で4週間のインターンシップを体験する。

6月7日、来日5日目の彼らは汐留の電通本社にいた。2015年の世界コピーライターランキングで1位に輝いたナージャ・キリーロバの「日本でのコミュニケーション入門」という講義を受けに来たのだ。


ミネルバ大学ではカリキュラムの一貫として、4年間で最低でも世界7都市を周る

6カ国で義務教育を受けたロシア人のナージャが来日してから知った、「つまらないものですが」(こんな表現は海外にはない)、「弊社」(我が社をbad comanyなんて言ったら取引ができない)という言葉に表れる日本ならではの文化を、座学とワークショップを通じて学ぶ。今回ナージャを驚かせたのは、学生たちの吸収力の高さと、問題解決方法だ。



ナージャの自己紹介も早々に、彼女から早速最初の課題が出され、ランダムに選ばれた5名の学生が会議室のテーブルを順に綺麗に磨き上げた。実はこれ、電通の入社試験でも実際に採用されている課題である。ここで問われるのは「気遣い」だ。

彼らが綺麗に磨き上げた後、このテーブルがどうなるかは知らされていない。しかし、この後に誰かがテーブルの淵や足を持って移動させるかもしれない。そこまで想像できる「気遣い」が、電通に入社する人物には問われるらしい。ナージャからの合格点をもらった学生はゼロ。ここで彼らの闘争心に火がついた。



続いての課題がこれだ。4チームに分かれ、1チーム1000円の予算で30分以内に何を買うかをナージャが評価する。前出の課題から、日本ではどういった視点での問題解決が求められるかを汲み取った彼らは、一斉にビル内のコンビニに向かった。

「くだらない意見を言った人には、ウォッカを一気飲みさせるっていうのはどう?」
「コーラ味のグミがある! これ買おうぜ」
「ブラックサンダーのアイスだ! 台湾だと売り切れて買えないのに!」

広いとは言えないコンビニで、学生らしい会話が英語で飛び交った。そこである女子生徒がこう言った。

「4チームに分かれてバラバラに買うより、全チームでそれぞれ買うべき品物を決めて役割分担をするのはどう?」

全員が「それ、いいじゃん」となった後の行動は早かった。誰に指示をされるまでもなく、甘いもの担当、しょっぱいもの担当、飲み物担当に分かれ、来日経験のある学生がいるチームでは、彼が思う美味しいものを買うことに予算を充てた。

講義部屋に帰ってきた彼らは、全員で机にお菓子を取り分けた。買ってきた紙コップにジュースやお茶を注ぎ、一人一人の席に紙ナプキンを配った。講義部屋の後方で席を並べてその様子を観察する電通社員と見学者には個装の煎餅を配った。1問目で日本では「気遣い」が求められることを学んだ彼らは、すぐに行動に移したのだ。

文=Forbes JAPAN編集部 写真=八木竜馬

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