廉価版iPhone Xは今年のベストセラーモデルになりそうだ。そして、iPhone X Plusはスマホ業界に衝撃をもたらすハイスペック端末となっている。
筆者が入手したiPhone X Plus向けケース設計図の背面部分には、3つのカメラレンズが縦に並んでおり、この端末がトリプルカメラを搭載したものであることが分かる。アップルのトリプルカメラは、ファーウェイがP20 Proに搭載したものとほぼ同様なものであることが見てとれる。
ファーウェイのP20 Proの場合は、約2000万画素のモノクロセンサー、約4000万画素のカラーセンサー、約800万画素の望遠カメラで構成されていた。アップルはこれと同様のレンズ構成をiPhone X Plusに取り入れ、暗い場所でも鮮明な画像が撮影可能にするものとみられる。
ここ数年、アップルの端末はローライト環境下での撮影性能において、競合メーカーに遅れをとってきた。
ゴーステックの設計図から、もう一つ興味深い事実が判明した。アップルがトリプルカメラの搭載に踏み切るのはiPhone X Plusのみであり、2世代目のiPhone Xは現行モデルと同じダブルカメラ仕様となる。アップルはトリプルカメラを、サイズが大きく値段も最高額となるiPhone X Plusだけの、お楽しみとしてとっておきたいようだ。
iPhone X Plusには6.5インチの大型スクリーンが搭載される。しかし、筐体のサイズは157.2 x 77.1mmであり、5.5インチディスプレイのiPhone8 Plus(158.4 x 78.1mm)よりもやや小さなサイズになることが判明した。
筆者は以前から、今年発売のiPhone Xに小型版は存在しないと予測してきたが、今回の設計図からもそれが確認された。廉価版iPhone X(筆者はこのモデルが単純に「iPhone」と命名されると考えている)のサイズは147.12 x 71.52 mmで、5.8インチのiPhone(143.6 x 70.9 mm )よりも大型サイズになる。
つまり、廉価版iPhone Xはこれまでの噂通り、6.1インチの端末になる。また、設計図からこの端末のリアカメラが単眼仕様であることが分かった。さらにこの端末は3Dタッチ機能を搭載せず、ノッチの面積はiPhone X Plusよりも幅が広いことも確認できた。
関係筋からの情報では、廉価版iPhone Xが搭載するFace IDは現行の第一世代のモジュールだが、iPhone X Plusにはより小型化された第二世代のFace IDが採用されるという。
廉価版iPhone Xの価格は、昨年発売のiPhone Xから300ドル程度、引き下げられるとみられている。
アップルが今後、これらの2端末の設計を変更する可能性もある。例えばiPhone X Plusの3つ目のレンズを、フラッシュに置き換えることもあり得るだろう。しかし、発売スケジュールから考えると、それほど大きな変更が今から可能だとは思えない。
つまりアップルが今年、ここ数年で最もエキサイティングな新端末2モデルを、市場に投入することは確実といえる。