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2018.06.10 13:00

水揚げ量日本一の銚子でも貴重、期間限定の「イワシ」の正体

(c)高田サンコ/講談社

(c)高田サンコ/講談社

香ばしく塩焼きになった今日どれ入梅(にゅうばい)イワシを前に、私はまだ「それでもイワシ」感をぬぐえずにいました。いつものイワシの、苦みと口の中に残る脂のにおいを思い出してしまうのです。

箸を入れ、身をつまみ上げる。「え…?これ…!?」

ヤバみを感じました。みずみずしくふっくらした身が、すうっと骨から離れる。

口にするとふんわりほぐれて、こうばしい香りが鼻を通っていく。正直、そんなに美味しいお魚だとは思っていなかったイワシ。だけどこの入梅イワシは、あま味とうま味でいっぱい!イワシィ!おいしい!大好き!

初めまして、高田サンコです。食漫画にご縁があり、月間ヤングマガジンで『海めし物語』を描かせていただきました。これは魚界著名人の“本当にうまい魚”の情報をもとに取材した、食べに行ける絶品鉄板のお魚漫画。このコラムでは、実際に取材で出会ったハイスペックなお魚をご紹介します。

さて表題のイワシ。ある日担当編集氏から「銚子の入梅イワシをネタにしましょう」と連絡がきました。イワシをわざわざ千葉の銚子まで行って食べるというのです。最初は意味が分かりませんでした。

私にとってイワシは健康に良い青魚でしかなく、おいしいという理由で食べたことはありませんでした。それにイワシは近所のスーパーで売ってるし。もし付き合ってる彼に「銚子行ってイワシ食べよ」なんて誘われたら、断り方を考えるだけで半日潰れることでしょう。イワシは私にとって、条件は良いが、ホレてない魚でした。

6月某日、取材先と日程が決まったところで編集氏から「イワシが食べられるかは当日の朝にならないとわからないそうです」と連絡が。またしても、意味が分かりませんでした。

取材先は魚の水揚げ量日本一を誇る千葉県の銚子。中でもイワシ類は主力の水産物で、数万トン単位の水揚げがある。銚子はイワシだらけ……。それなのに。
 
当日「イワシ! 行けます!」と編集氏。私はポカンとした頭で銚子へ向かいました。

銚子の和食店“香海”さん。気さくなご主人が話してくださいました。
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文・漫画=高田サンコ

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