ライフスタイル

2018.06.10 13:00

水揚げ量日本一の銚子でも貴重、期間限定の「イワシ」の正体


「イワシは小さいし安い魚だから、料理にするには手間がかかるのに、利益は出にくい。それで料理店や小売り店では扱われることは少ない。トン単位で大量に取引され、一気に加工するか全国に出荷される。銚子には生の新鮮なイワシはほとんど残らないんですよ。それに近年は不漁傾向、天候でも海が時化ると漁がなく魚は仕入れられない」と教えてくれました。色々な要因があり、イワシの名産地といえど行けば必ず食べられるというものではないそう。

それでも、その日に仕入れがなくても前日や前々日のものも食べられるでしょう……? という私の疑問に、ご主人が見せてくれたのは今日獲れのイワシと、一昨日とれたというイワシ。

まるで様子が違いました。今日のイワシはビシッとそっていて、一昨日のイワシはくたっとしている!実はそっているのは死後硬直が解けていない状態で、死んだばかりである証拠。こんなそり返ったイワシ、知らない!!


(c)高田サンコ/講談社

銚子へ来た理由は、超新鮮なイワシを食べることと、もう一つ。

梅雨の時期、雨によって山の栄養が川から海へたくさん注がれ、海の植物性プランクトンが増える。それがイワシのエサとなり、6〜7月は年間で最もイワシに脂がのる時期なのだとか。このイワシだけが、「入梅イワシ」と呼ばれます。
 
お目当ては超新鮮な「入梅イワシ」。かくして、思いっきりホレる魚に出会ってしまいました。出会える条件は厳しめですが……。

今年も梅雨入りまでもう少し。雨空を見上げて「ああ、憂鬱だなぁ」と思ったら、ふと、「入梅イワシ」を思い出してください。

最高のイワシを食べるために銚子まで出かける。そんなことをする人はめったにいないはずです。だからこそあえてそんな旅をしてみるのも良いのではないでしょうか。何だって“最高を知っている男性”って、魅力的ですもの。

それに都内にもイワシ料理の専門店が結構あるようですから、入梅イワシが食べられるお店もあると思います。梅雨の季節になったら、そうしたお店を探して電話してみるのもよいかもしれません。デートでも、接待でも、おすすめ。大衆魚の代表格であるイワシが、こんなにおいしいなんて。そのギャップが、あなたの魅力をアップさせてくれることでしょう。

<今回紹介したお店>
香海
住所:千葉県銚子市中央町6-30
電話番号:0479-25-3703
営業時間:11:30~14:00/17:00~22:00 火曜定休

文・漫画=高田サンコ

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