ビジネス

2018.05.28 17:30

グローバル経営者が大切にしている「リーダーシップ」3つの極意

サシン・N・シャーメットライフ生命 会長 社長/在日米国商工会議所会頭


─そのために、今後、ACCJに求められることとは。
-->
advertisement

歴史的に見て、ACCJは大企業によって運営されています。しかし、私たちがまだリーチできていない潜在性を探るために、もっと若いプロフェッショナルを入れていく。これによって、これまでとは違った視点や世界観を提供できると思っています。

─日本というマーケットは少子高齢化が進み、他国に比べて成長が見込みにくいという指摘もあるが。

そんなことはありません。日本は2001年以来、長きにわたる成長を続けています。また、訪日外国人数も5年連続で過去最高を更新しています。2020年には東京オリンピックも控え、この傾向はますます加速するでしょう。もちろん、一方で、日本独自の課題もあります。高齢化もその一つでしょう。けれど、それはチャンスでもあるのです。
advertisement



─どのようにチャンスにできるのか?

例えば、私が会長 社長を務めるメットライフ生命のような生命保険の分野でいえば、私たちがしなければならないのは、お客様とお約束をし、それを長い期間継続させることにあります。つまり、目先の利益ではなくて、5年、10年、そして50年先までお客様のサポーターとして寄り添わせていただくことが求められているわけです。そういう意味において、私たちに必要なのはビジョンではなくて、お約束なのです。

世界情勢がどうなろうと、お客様のために継続的にサポートして差し上げるというお約束。そして、そのために、時代の変化に合わせて今日価値のあるものを提供させていただくということです。

例えば、アメリカでは老後をゴールデンイヤーズといって、非常にポジティブなこととしてとらえますが、日本のお客様は、年齢問わず、老後のご心配をされている。長生きをリスクと考えています。特に若い方たちにこの傾向が強いのも特徴です。だからこそ、日本では「健康的な生活の保障」を、保険会社に求めています。

このようにお客様のニーズも10〜15年前とはすっかり変わってきているのです。そのようなニーズの変化に応えること、必要な価値をご提供することと同時に、これまで当社が150年にわたり築いてきた歴史あるビジネスをこれから150年先も実在させ、お客様とのお約束を守る、これが私たちが最も大切にしていることですし、それが結果的にお客様の満足とともに企業の成長にもつながるのではないでしょうか。

つまり、日本にとっての課題に丁寧にお応えしていくこと、それがひいてはリスクをチャンスに変えることができると考えています。
次ページ > 「商品」ではなく「解決策」を考える会社

写真=藤井さおり

タグ:

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事