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働き方革命最前線 ─ポストAI時代のワークスタイル

Nong Mars / shutterstock

グーグルが世界一の企業なのは、お互いを疑うコストをかけないことでビジネスを加速させているから、という側面があることを前回お話ししました。ビジネスシーンにおいて、同じ価値観やルールを共有している間柄では、お互いを信頼し合うことから仕事を始めていくことを、僕は「ハイパー性善説」と呼んでいます。

そう言われても「出世競争の中ではみんな敵だから、自分だけ周りを信じていたらバカをみる」という方もいるかもしれません。それはつまり、そういうゲームのルールの中にいるということです。確かにハイパー性善説は、前提として「何かを一緒に実現させよう」「お互いを高め合おう」という共通目的や共通のWhyがある世界だからこそ、成り立つ法則なのだと思います。

僕がいる世界は後者です。そして、そんな僕の周りでは、すでにこのハイパー性善説がどんどん進化していっています。僕らは「お互いに自律し合い、高め合って、それぞれが最高のアイデアを形にしたいね」という暗黙の了解のもと、例えばエンジニアや編集者、ファッションデザイナーなど、様々な業種の人が混ざり合い、新たなビジネスアイデアを作り上げています。

同じようなビジョンを描いているもの同士は、たとえ業界が違ったとしても、ひとたび信頼し合うと、ものすごい効果を発揮するのです。

信頼関係の進化系「ノールックパス」

例えば僕が、ファッションデザイナーの友達に「きっとこの人と化学反応おこるな」と思う友人を紹介するとします。このとき、通常なら「その人はどんな会社のどんな人ですか? 性格は?」などと聞きたくなるものですが、彼女はいちいち相手の詳細を聞いてきません。

それどころか、「尾原さんの紹介ならノールックです」と言ってくれます。当然、紹介もスムーズで、僕はフェイスブックのメッセンジャーグループを作り、両者を繋げるだけです。すると後日、「またアイデアが生まれました!」と連絡がきます。

人を紹介するときも、両者のことを事細かに説明したり、日程を設定したりするなどのコストをかけるのは大変です。しかし信頼しあっている同士ならば、SNSで引き合わせれば、あとは勝手に化学反応を起こしてくれるのです。スピード命の変化の時代においては、これくらいの速さで人と人が繋がり、アイデアが形になるのが理想的です。

それに、信頼しあえる仲間同士のスピーディーなコミュニケーションは非常に気持ちのいいものです。これは、サッカーのパスに似ています。パスを出すときに声がけや視線で逐一確認し合っていたら、あっという間に敵にボールを取られます。しかし、漫画「キャプテン翼」の翼と岬くんコンビのように、ノールックパスができれば、鮮やかなシュートを決めることができます。

文=尾原和啓

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