その次には、慶應大学(6位)、東京慈恵会医科大学(7位)、昭和大学(8位)、東邦大学(9位)、日本医科大学(10位)と、総額2000万円台の大学が並んでいる。これらの大学は、いずれも東京都内にある大学だ。
近年の大幅な学費値下げ競争により、偏差値序列に変化が出てきている。学費値下げと引き換えに人気が出て、偏差値が上昇するという現象が生じているのだ。
順天堂大学、東邦大学のほか、杏林大学、日本大学、近畿大学などは、とくに大きく偏差値を上げた大学である。
前回のコラムでもお伝えした通り、昔なら東大・京大の理工系を目指していたような秀才が、軒並み地方の国公立医大を目指すようになった。そして彼らの多くは、当然のように私立医大を併願する。金銭的にそれが可能になったからだ。
こうして、昔ながらの受験エリート(国公立の医学部を目指す)と医師家系の子弟(私立大学の医学部を主に目指す)に加え、一般家庭の医学部志望者が増加したことが、医学部バブルとも形容される現象の主因である。
ただし、医学部の難易度が高くなっているのは、増加している入学定員以上に競争倍率が上がっているということによるもので、必ずしも医学部の入試問題が難しくなっている、あるいは受験生の学力レベルが上がっている、ということではない。この連載で後々、お伝えしていくが、攻略法は存在する。
いずれにせよ、一般の家庭の受験生が私立大学の医学部を受験するようになってきたことは注目に値する。
医学部は昔から入学するのが難しかった。それは、学力面と金銭面のどちらかでずば抜けていなければならなかったからだ。しかし、現在は、私立医学部の学費値下げによって、金銭面のハードルが下がり、学力さえ伴えば、多くの有意の若者が医師を目指せるようになったのである。
その結果、医学部の競争率が上がり、全体的な入試偏差値も上がっているわけだが、こういったマイナス面だけを見る必要はない。医師になるべき人物を選別するべき入試が、適正・公正に行われている限りにおいて、総合的にみて歓迎すべきことと考えてよいのではないか。
連載 : 最短で我が子を医者にする方法
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