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誰も知らないシリコンバレーの裏事情

奥本直子(左)、渡辺千賀(右)

シリコンバレー在住の戦略コンサルタントの2人に本音で語ってもらう連載企画、第4弾のテーマは「仮想通貨」。

催眠術でプライベートキーを思い出す? イーサリアムの猫繁殖ゲーム「クリプトキティ」はオンライン版ビーニーベイビー? 米国のICOへの規制はどうなっている? 仮想通貨をとりまくシリコンバレーの人々の悲喜こもごも、そしてICOでの個人からの資金調達に関する課題について2人に語ってもらう



奥本:著名なベンチャーキャピタリスト、フレッド・ウィルソン(ユニオン・スクエア・ベンチャーズ共同創設者)のブログ、AVCに2017年の振り返りがあったのだけれど、その中で「僕が予想だにできなかったことは暗号(仮想)通貨の台頭だった」と書いてあったのだけど、本当にそうだったよね(以降、本文中では英語の「Cryptocurrency」により近い訳語「暗号通貨」を使用)。

渡辺:私は一旦話題になった2013年にビットコインとかいろいろ買ったんだけど、その後値段が落ちたので放置していたら、去年急に暴騰してびっくりした。

奥本:2013年頃確かに話題になったよね。当時高校生だった息子の友達が、父親の古いPCでビットコインのマイニングをしたら30万ドル(約3200万円)程になって大学の学費にしてた。

渡辺:当時の価値で30万ドル?

奥本:そう。「このお金でどこの大学にも自費で行ける」と言って喜んでいたんだけどね。

渡辺:その頃30万ドルだったら去年の12月まで持ってたら1000万ドルぐらいになってたのにね。もしかして家族全員でがっかりしてたりして。

奥本:それって日本円で10億円以上だよね。30万ドルだと4年分の学費で終わりだから全部売ってしまったのかも。確かにがっかりしているかもしれないね。

渡辺:まあでも、ビットコイン周りはそういう話がたくさんあるから。プライベートキーという英数字の羅列を覚えておかないと自分のビットコインにアクセスできないんだけど、それを書いた紙を燃やしちゃったとか、セーブしておいたコンピュータごと捨てちゃったとか、そんな話は山のようにある。

なんとかプライベートキーを思い出そうと催眠術かけてもらってる、なんていう涙ぐましい話も聞いたよ。だから、大学の学費が払えただけよかったと思った方が心が安らぐんじゃないかな。

奥本:あなたは新し物好きで何でも自分から果敢に試していくタイプだけど、ビットコインもそれで購入を決めたの? どうして買おうと思ったの?

渡辺:2013年にブロックチェーンの仕組みを勉強して、これはすごいと思ったのがきっかけ。これは買ってみないと、と思って試しに日本、アメリカ、ヨーロッパの取引所3か所で口座を開けてみた。そうしたら取引所間で結構価格差があって、特に日本はものすごく乖離があったんだよね。

それで「欧米の取引所で買って日本で売ったらもしかして大儲け?」と思ったんだけど、これがなかなか取引成立しなかったり、送金に時間がかかったりで、プロじゃない限りアービトラージ(裁定取引)を取るのは無理だと諦めた。

奥本:それでタンス預金になっちゃったということ?

渡辺:うーん、アービトラージはアカウント開けてからの思いつきで、元々はブロックチェーンとビットコインの将来にものすごく期待したから買っただけ。一般に普及するまでずっと持っていようとは思ってた。当時は本当にいろんな買い方があって、オンライン掲示板のクレイグスリストで売り手と買い手が出会って、物理的な場所で出会って現金とビットコインの交換をするなんていうのもあったよ。闇取引っぽい。これをやってる人たち今でもいるらしいけど。

奥本:日本の取引所といえばマウントゴックスが潰れた(2014年)ことで、ビットコインそのものの評価がかなり落ちたじゃない?

渡辺:マウントゴックスには私もビットコイン預けてあったんだよね。取引所ごとなくなるとは衝撃。あと、アメリカのクリプツィーという取引所にライトコインとドージコインというのも預けてあったんだけど、これも取引所が潰れてなくなった。「預けた取引所ごとなくなることが結構ある」というのが最大の学びですよ。

文=渡辺千賀、奥本直子

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