「いい質問」をできる人が、会議で一番得をする理由

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あなたにとって、新聞は何に使うものですか? ほとんどの人が「情報収集のため」「ニュースをチェックするため」と答えると思います。でも、もし「雨の日に新聞をどう使う?」と聞かれたら、濡れたものを拭くために使うことを思いつくのではないでしょうか。

新聞社は当然、新聞を読み物として提供しています。よってそれを受けとる側である我々も、読み物として消費します。しかし、アイデアとは、与えられた意味合いとは違う角度から見えてくる意味合いを、新たに見出すことです。

つまり、新聞に新しい視点を与えられることで、「温かいからふとん代わりに使えるかも」「掃除のときに、窓をふく雑巾がわりになるよね」など、様々な使い道(意味合い)を思いつくはずです。このようにひとつのものに対して、複数の機能を見つける観点をどれだけもてるかが、イノベーティブな視点をもつことなのです。

例えばリクルートの広報部では、毎朝、テーブルの上に段ボールやりんごなどを置いて、あらゆる角度から「これはこういう機能があるからこう使える」などと、山手線ゲームのように延々とアイデアを出しあうゲームを行っています。

また、あるときは難解なニュースを扱うこともあります。つまり、多様にモノを見る訓練を行い、他人には思いつけない視点を見つける訓練を重ねることによって、イノベーションを起こすための力を鍛えているわけです。

このゲームのいいところは、複数人で行うことで、「この人は新聞を、モノの下に敷くものとして見ているんだな」というふうに他者のモノの見方が分かることです。自分以外の人の価値観が分かるようになるので、アイデアを思いつく角度を広げられ、さらにコミュニケーションの幅を広げることもできます。

質問は、一番得をする情報収集ツール

講座やセミナーなどにおける質問タイムは、情報収集術のなかでも一番得をする行為だと僕は思っています。収集できる絶好のタイミングに手を上げるのはひとつの才能です。なぜなら、質問は情報収集ツールでありながら、自分を印象づける行為でもあるからです。

僕は講座やセミナーに参加するとき、自分だけのための議事録を書きます。講師が何を言ったか、他の生徒の反応はどうだったか、などもメモします。なかでも大事にしているのが、最後の質問タイムでどんなことを質問するかについてのメモをとることです。
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文=尾原和啓

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