買い物という投票のインパクト
では、わたしたち消費者にできることは何だろうか? まず第一にこのキャンペーンサイトにアクセスして署名をすること。友だちにシェアすることも忘れずに。そして、もしクルエルティフリー製品を支持するなら、それらをつくっているブランドをサポートすることだ。個人ブランドからグローバル企業まで、そうした製品をつくっているブランドはたくさんある。
例えば、One Love Organics創業者のスザンヌ・ルルーは「食べ物に対するアレルギーに個人差があるように、わたしたちはみな化粧品に対しても異なる反応を示します。そして動物を使ってテストされた製品が、人間に対して同じような結果をもたらすとは限りません。この手法は時代遅れであり、安全性を保証するものではないのです」と語る。
動物実験をする代わりに「わたしたちは人間のボランティアを募り、テストをしています」と言い、「これによって動物の命は守られ、テストはより正確になる。動物実験を止めることは、人と動物にとってwin-winなのです。クルエルティフリー製品だけを選んで買うことは、大きなインパクトとなりえます。買い物による投票が、最終的には大きな企業を動かすのです」と話す。
テクノロジーがもたらす変化
いくつかの企業は製品を通して認知を広め、基金を集めることでクルエルティフリーに取り組んでいる。刺青師のキャット・ヴォン・Dは、自身のブランドKat Von D Beautyのすべての製品をクルエルティフリーでつくっていることに加えて、動物保護団体「Farm Sanctuary」などでのボランティア活動を通して動物の権利をサポートする。
同じくクルエルティフリーブランドであるToo Facedは、2017年10月に25万ドル(約2700万円)をNPO団体「Best Friends Animal Society」に寄付したほか、チャリティのために限定製品をつくっている。
こうした努力のおかげで、コスメ業界は変わり始めている。「いまではEU以外の政府にも、多くの動きが見られます。ブラジル、カナダ、インド、ニュージーランド、韓国、オーストラリアが、動物実験を禁止する法律を実施しようとしているのです」とマクネイル・ブラウンは言う。
「世界中の国々が、この方向に向けて動き出そうとしています。動物実験はコストが大きく、正確性に欠け、非効率です。すべての人が、こうした時代の変化についていかなければいけません。そして新しいテクノロジーによって、わたしたちはより安く、より速く、より正確に、テストを行えるようになるでしょう」
コンピューター分析、人へのパッチテスト、人工皮膚など、テクノロジーの発展は動物実験に代わる手段が登場している。CFIのスーも、「(動物実験を行わなくても)製品は安全性を保ち、企業はイノベーティブでいられるのです。技術の発展が続くことで、誰もが新しいテスト手法を使えるようになるでしょう」と言う。
「そしてこれは、顧客が求めていることなのです。世界中で、顧客はクルエルティフリーを選び、動物実験を止めるよう求めています。これからはますます多くの国が動き出すでしょう。いまこそ、動物実験に終止符を打つために団結すべき時なのです」