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I write about the global energy business.

Soonthorn Wongsaita / shutterstock

米国では数多くの企業が、「新エネルギー経済」への移行に向けて準備を進めている。温室効果ガスの排出量を減らし、自社に必要なエネルギーを持続可能な燃料でまかなうことに力を入れているのだ。関連技術の低価格化を背景に、企業の間では、対策を実行に移すべきとの認識が急速に広まりつつある。

だが、企業の多くは再生可能エネルギーの利用以外にも、より高い付加価値を生む可能性を持った方法があることに気づいていないのかもしれない。

仏シュナイダーエレクトリックでエネルギーと持続可能性に関連したサービスを提供する部門の責任者は、「ここ2~4年で、再生可能エネルギー関連の技術は世界中の多くの国、多くの市場で大幅に費用対効果が高まった」「だが、もっと多くのことを実行することができたはずだ」と指摘している。

企業とテクノロジー、持続可能性を結び付けるための活動を行う米グリーンビズとシュナイダーが年間売上高1億ドル(約109億円)以上の240社を対象に実施した調査によれば、「今後3年間で、自社のCO2排出量削減に向けた取り組みを実施する」と答えた企業の割合は、85%近くに上った。

ただ、マイクログリッド(小規模発電網)やエネルギー貯蔵システム、(電力需要ピーク時の消費を抑える)ピークシフト・プログラム、クラウド型のデータ共有ツールなど、より高度な技術を取り入れたり、戦略を実施したりしている企業はごくわずかにとどまっている。

「再生可能エネルギーの活用に向けた計画を実行する」と答えた企業の割合は、この調査では51%だった。だが、米大手会計事務所プライスウォーターハウスクーパース(PWC)の調査によれば、72%がこうした計画を立てているという。

最も進歩的な企業の中には、再生可能エネルギーだけで事業を行うことを目指すものもある。フェイスブックやグーグル、マイクロソフト、ウォルマートやバンク・オブ・アメリカなどの企業がその例だ。こうした企業にはデータの収集・分析力があり、事業を展開する各国で一致した意思決定を行うことができる。

環境への取り組みはこれら各社にとって重要な企業理念でもある。例えばグーグルは、エネルギー消費量に占める再生可能エネルギーの割合を100%にするという目標をすでに達成している。

一方、ファストフード・チェーンを運営する米ヤム・ブランズなど、特に環境への取り組みで知られているわけではない企業の中にも、環境意識の高い顧客との関与を強める努力を続けている企業がある。

ただ、持続可能性に関する同社の世界的な取り組みを担当する部門の責任者は、「例えばスターバックスのように、持続可能性への貢献がそのブランドのDNAに書き込まれていることが広く知られていれば、消費者は持続可能な製品とその会社を関連付けて考える」「だが、そうでない大半の企業にとっては、持続可能性の実現に向けての取り組みはまず、業績の向上を目的とした経営上の視点から始まるものになるだろう」と話す。

大手UV硬化型インキメーカーの米サンケミカルは、電力コストの削減と環境パフォーマンスの向上を目指し、再生可能エネルギー活用プログラムを展開している。屋上や駐車場への太陽光パネルの設置によって発電した電力を一定の価格で買い取り、ニュージャージー州にある自社の生産施設の一つで利用する取り組みで、これまでに40万ドルの経費削減を実現できたという。

再生可能エネルギーの関連テクノロジーは、低コスト化している。企業にとってはこれまでより、環境対策に向けた戦略を実行に移しやすい状況になっている。投資もより速やかに回収することができるだろう。一歩先を行く企業はこうした状況を活用し、新エネルギー経済をけん引する存在になろうとしている。

編集=木内涼子

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