だが、面接官からささいなこと(例えば、その企業が使用している特定のツールの使用経験について)を尋ねられたとしても、実際にその質問(あるいはそのツール)自体が重要であるとは限らないということは、忘れてしまいがちだ。
例えばこんなやり取りだ。
面接官:「ファイル・マスター」製品の使用経験は豊富ですか?
あなた(ファイル・マスターを知らない):それはもしかして「ファイル・マネジャー・プロ」のようなものですか?
面接官(答えがわからない):さあ、どうでしょう。ではファイル・マスター自体は使ったことがないのですね?
あなた:まだありません。恐らくバージョン管理のアプリケーションであるファイル・マネジャー・プロと類似したものだと思います。そちらの製品は数年間使用していました。この会社ではファイル・マスターをどのように使用しているのでしょうか?
面接官:実は、私にはわかりません。
あなたは、ファイル・マスターの使用経験がないことが減点になるのでは、と心配したかもしれない。だが面接官は、あなたの履歴書に「ファイル・マネジャー・プロの経験あり」とだけ書き足し、次の質問に進んだ。大したことではないのだ。
募集職種に必要なツールやシステムのすべてを熟知した人間が面接に現れることはない。仮にあったとしても、企業から「あなたは資格がありすぎる」と言われるかもしれない。
分別のある企業であれば、特定のツールの使用経験がないからといって、採用プロセスから外すことはないだろう。特に類似のツールを使った経験があればなおさらだ。面接で答えにくい質問を受けたからといって、慌てる必要はない。その質問が重要だと思い込まないこと!
就職希望者が面接でする最悪な失敗とは、その人の経験や、質問への受け答えがスムーズかつ明確かどうか、あるいは所有資格とは、なんら関係がない。もっと重要なのは、面接を受ける態度だ。
面接を受けるにあたって最も気をつけるべき重要なことは、求職者の態度や姿勢だ。「大名様、お願いですから私を候補者として検討してください!」という態度はとってはいけない。相手にひれ伏すような態度で面接に臨めば、既にあなたの負けだ。採用担当責任者にとって人材確保の必要性が高ければ高いほど、その職を懇願するような候補者には会いたがらないものだ。
ボディーランゲージはとても重要で、話し方のトーンもまた大切だ。面接で媚びへつらうことにあまりにも慣れてしまい、そのほかのやり方を知らない人もいる。そんな人たちは私に「面接で懇願してはいけないというけれど、高飛車な態度で臨めというのですか?」と問う。
決してそういうことではない。ただ落ち着き、自信を持って面接に臨むべきだ。面接する側は、あなたが好ましい人材かどうかを判断する。そしてあなたも、相手が好ましい企業かを判断するのだ。面接官は、あなたにどうか入社してほしいとは懇願しない(少なくともこの時点では)。あなたは企業にどうか自分を雇ってほしいと懇願する必要はないのだ。
自信をつけリラックスして快活な態度になれば、面接官に自分に対する安心感を抱かせられる。以下に、採用面接で避けるべき最悪な行動を5つ紹介する。