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yuttana Contributor Studio / shutterstock.com

150カ国以上のメンバーからなる業界団体、国際再生可能エネルギー機関(IRENA)が1月中旬、エネルギー転換の地政学的なインパクトを調査する委員会「The Global Commission on the Geopolitics of Energy Transformation」を設立した。

アブダビで行われたIRENAの年次総会で設立された同委員会では、レアアースなど再生可能エネルギー業界で使われる物資の世界的なサプライチェーン、国同士の電力取引、(再生可能エネルギーへの移行が)政治に与えうる影響といった問題について、今後1年をかけて調査を行う。これは、ここ数年でますます成長し、今後さらに大きくなることが期待されているグリーンエネルギーへの転換の本気度を表す最新の兆候だ。

IRENAのアドナン・アミン事務局長は、委員会設立に際し「重要なエネルギーの変革が起きています」とコメント。「この変革は、ますます速くなり、ディスラプティブであり、機会と課題の両方をもたらします。この止めることのできない変化は、エネルギーの様相を変えてしまうでしょう」と語った。

石油と天然ガスの地政学は、長い間議論されてきたトピックだ。だが最近に至るまで、再生可能エネルギーの増大によって国際政治にどのような影響が出るかはほとんど見逃されていた。しかし、その状況も変わろうとしている。2017年3月にベルリンで行われたワークショップでも、IRENAは「グローバルエナジーの地政学」と題されたレポートにてこうした問題を扱っている。研究は、ノルウェー国際情勢協会、ハーバード大学およびコロンビア大学によるもので、研究資金はドイツ、ノルウェー政府によってサポートされていた。

新たな委員会の代表を務めるのは、アイスランドの元大統領、オラフル・ラグナル・グリムソン。ドイツ、ノルウェー、アラブ首長国連邦の政府によるサポートのもと、世界的なエネルギー変革の短期的・長期的な調査が行われ、2019年1月に結果が発表される予定だ。

現在は石油や天然ガスを運ぶパイプライン、タンカーが担っている国境間のエネルギー移動だが、今後電力ネットワークに代わっていくにあたり、貿易のかたちはどのように変わっていくのか? 新たな委員会が調べるテーマにはこうした事柄も含まれる。エネルギー変革によって投資のあり方も変わる必要があれば、エネルギー安全保障についても新たな知見が求められるだろう。例えばレアアースへのアクセスは現在中国に独占されている状態だが、これは大きな問題になりうる。

エネルギー変換には、ネガティブな面もあればポジティブな面もある。電力源を化石燃料の輸入に頼っている国々が価格変動による悪影響から脱することができるかもしれないが、スマートエネルギーシステムの登場により、サイバー攻撃を受けやすくなってしまうかもしれない。

「世界の安定と平和を考えるとき、気候とエネルギーは欠かせない問題です。そして今後は、いまよりもさらにその重要性は増していくでしょう」。ドイツの外務省でエネルギー・気候政策を担う事務局次長、ピーター・フィッチャーはIRENA総会でそう語った。

「等しくではないにせよ、エネルギー変革はすべての国や地域に影響をもたらすでしょう」。オランダの政治家で国際エネルギー機関の元事務局長マリア・ヴァン・デ・ホーベンもそう付け加えた。

翻訳・編集=宮本裕人

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