3. ベンチャーエコシステムの国際化
日本のベンチャーエコシステムは世界から孤立していると言われているが、昨年からフィンテックやAI(人工知能)の領域を中心にグローバルなスタートアップが増えてきた。とくに、エンジニアや研究者などは、日本のカルチャーや研究機会、先端領域の事業機会を求めて優秀な人材が日本にやってくるケースも存在する。
たとえば、台湾は日本と文化的な距離も近いこともあり、ハードウェアなどの領域やBtoB領域を中心に福岡などと連携が始まっている。
また香港は元々金融都市ということでフィンテック領域はもちろんのこと、中国・深センとの連携によりIoT領域にも強みがある。都市の成熟度と英語力も相まって、日本の都市部とはいい関係性を作ることができる。
韓国は、K-POPや美容をはじめとしたコンテンツ系領域をはじめ、政府がスタートアップの海外展開を積極的に支援していることから、官民連携による展開も期待できる。
いわゆる形式的なオープンイノベーションは一巡する。ベンチャー投資やコーポーレートVC、アクセラレーションプログラム、M&Aによるスタートアップ買収、社内ベンチャー制度といった具合に、各社様々な戦術を組み合わせ、海外スタートアップとの連携も含め、事業化に向けた結果を出すフェーズに入っていくだろう。
いずれにせよ、均一化されていない、空気をあえて読まない勇気を持つ人材や発言、行動、国籍含め多様性を許容・共生している組織が想定外の状況でも生き残っていく。オープンイノベーションを成功させている企業は、少なからずその要素を持ち合わせている。